参院選(10日投開票)東京選挙区から出馬した立憲民主党の蓮舫氏(54)は4選を果たしたが、3期連続のトップ当選の座を逃し、党全体として厳しい結果となったことに危機感を募らせた。

 2004年に参院議員に初当選すると、10年には約170万票、16年にも約110万票でトップ当選。選挙に強いイメージの蓮舫氏だが、今回は事前調査で自民党の朝日健太郎氏(46)を追いかける形になるなど、これまでとは違う選挙戦を強いられてきた。

 選挙戦を振り返って蓮舫氏は「私も全国も相当に厳しかった。それは肌身で感じてます。特に先週金曜日(=安倍晋三元首相銃撃事件)以降はガラッと変わりました」。党として改選議席を減らす苦戦を強いられたことには、「われわれは新しいコアを見せなきゃいけない」と危機感を示し、今後の課題として「党の存在価値、存在意義だと思います」とキッパリ。今回の参院選で野党第1党としての力を示せなかった現執行部へチクリとやった。

 かつての民主党政権時代の事業仕分けで飛び出した「2位じゃダメなんでしょうか?」の“名言”とは裏腹に、トップ当選を目指して選挙戦を走り抜けた蓮舫氏だが、全国で戦う同志たちのために精力的に応援演説へと出向いた。14日間の選挙戦期間のうち、地元選挙区入りしたのはたったの4日間だけだった。

 永田町関係者は「現執行部が結果を残せなかったことで、蓮舫待望論も出てくるだろう。今回トップ当選の座が危ういと知りながら、ほかの候補者の応援演説に精力的だったのは、今後の復権に向けた布石かもしれない」と言う。

 立憲民主党そのものの存在価値・存在意義を課題として挙げた蓮舫氏だけに、このままおとなしくしているとは思えないが…。