日本列島は猛暑が続き、氷水やアイスコーヒーをがぶ飲みして、食欲不振になるなど夏バテ気味のお父さんは多い。

「コーヒーや紅茶、緑茶などはカフェインを含んでいます。カフェインを含む飲み物は利尿作用があり、夏場の水分補給には不向きですね」というのは料理研究家・鵜飼祥子氏だ。

 それなら何を飲むのがいいのか。

「日本古来の飲み物、麦茶がいいと思います。麦茶は大麦を焙煎して作るんですが、大麦には体を冷やす効果がある。また胃の粘膜を保護する働きもありますから、夏バテでご飯が食べられないお父さんにはもってこいです」(鵜飼氏)

 麦茶に含まれるピラジンは血液の流動性を促進する働きがあり、血液をサラサラにし、老廃物を排出する。気持ちを落ち着かせる物質GABAも含まれている。抗酸化作用もあり、生活習慣病の予防にもなる。お父さん世代にはうってつけの飲み物なのだ。

 そんな麦茶の歴史は古く、平安時代にはすでに貴族の間で飲まれていた。江戸時代に庶民に広がり、夏の夜には若い女性が売り子をする「麦湯屋」という屋台が夏の風物詩だったといわれる。

 冷たい麦茶もいいが、ホットでもいける。「温かい麦茶に砂糖や塩を入れると飽きない。昭和の時代には温かい麦茶に角砂糖を入れて飲むスタイルもありました」(同)

 ただ、現代の気温は急激に上昇し、家にいても熱中症にかかる時代だ。鵜飼氏は「麦茶にしょうがを入れ、塩と砂糖を加えたジャパニーズジンジャーエールはいかがでしょう」と提案する。