日本列島は3日も高気圧に覆われ、東北や関東を中心に気温が上がった。気象庁によると、福島県伊達市では37.7度を観測。東京都心も35.3度まで上がり、統計のある1875年以降最長の、9日連続での35度以上の猛暑日に。全国914観測点のうち、過半数の469地点で30度以上の真夏日となった。

 連日、続いた猛暑が夏野菜の生育に影響。また、北海道産のタマネギも天候不順による被害が出ているため、野菜の高騰に歯止めがかからない。特に昨年末からタマネギの価格が高騰しているが、その引き金は国内生産の約7割を占める北海道での昨夏の干ばつだった。

「干ばつで北海道産の収穫量が減少したことで、昨年末から市場価格が上がり始めた。今や平年(過去5年平均)の2.2倍。不作に加えて、“産地リレー”がスムーズに起動しなかったからです」と言うのは東京・豊洲市場青果棟仲卸業者。

 例年は夏ごろから北海道産の収穫が始まって、翌年5月ごろまで市場に出回る。春先からは全国生産2位の佐賀県や3位の兵庫県産の出荷が増える。このように年間を通じて手頃な値段で国産タマネギが手に入るシステムが産地リレーだ。

「昨夏、北海道が干ばつ。さらに佐賀県の気温低下の影響で生育が遅れ、春先の長雨で収穫作業が進まず、出荷が大幅に遅れた。産地リレーのリズムが狂って、全国でタマネギ不足になったんです」(同)

 本来ならば、この夏以降、北海道での収穫が戻り、タマネギ不足が解消するはずだった。
「6月下旬にタマネギ畑がある道東やオホーツクをひょうが襲った。ひょうが貫通してタマネギの葉っぱがちぎれる被害が続出したんです。ひょうの後は道内各地で大雨。天候回復を祈るしかありません」(道内の農業ライター)

 この夏は猛暑とタマネギの価格高騰に悩まされそうだ。