新型コロナウイルス対策の持続化給付金や家賃支援給付金の対象から性風俗事業者を外したのは、法の下の平等に反し違憲だとして、関西地方でデリバリーヘルス(派遣型風俗店)を営む会社が国などに対し、2つの給付金や慰謝料など計約446万円の支払いを求めた訴訟の判決で、東京地裁は30日、訴えを退けた。

 岡田幸人裁判長は性風俗業を除外した給付金の規定は「合理的理由のない差別に当たるとは言えない」と違憲性を否定。原告側は国が差別感情を助長していると主張。対して国側は性風俗業について「本質的に不健全」と反論していた。原告側はすでに控訴している。

 この判決を傍聴席から見守っていたのが立憲民主党公認で参院選比例代表に出馬している要友紀子氏だ。要氏は約20年にわたってセックスワーカーの支援活動を行ってきた。

 要氏は判決について、「国は性風俗がダメだという言い方はしていない。『不健全だから』『国民の理解が得られないから』と理由をつけているが、納得できるものではない。なぜなら性のあり方には正解がないから。国が正解を決められないのです」と不満を示した。

 背景に差別意識があるという。「各地の性風俗関係者から『差別がある』との話を聞いています。例えば、子供の親権について家庭裁判所が風俗で働いている親には認めなかったり、内定していた就職が風俗で働いていたことで取り消しになったりとか。こうした差別意識が判決にもつながっているのです」

 このような空気を変えるために出馬した。「変えるのに必要なのは(セックスワーカーが)政治的な力をつけることです。それがないとそれを持つ人たちの言い分が通ってしまう。政治家に『性風俗業差別は反対』って言える人が1人もいないと、国に性に関する正解や基準を勝手につくられてしまう」と危機意識を示した。

 法の下の平等はどこにいったのか。