新国立競技場問題で担当局長更迭 政府を動かした舛添知事の“圧力”

2015年07月30日 10時00分

 下村博文文部科学相(61)は28日、新国立競技場建設の担当者だった久保公人スポーツ・青少年局長(58)が辞職し、後任に高橋道和内閣官房教育再生実行会議担当室長(54)を充てる8月4日付の人事を発表した。

 文科省は辞職について「自己都合」と説明しているが、久保氏は定年まで1年半以上残していることから、建設計画の白紙撤回に伴う事実上の更迭だ。

 久保氏は2012年1月、スポーツ・青少年局長に就任。新国立競技場については、事業主体のJSC(日本スポーツ振興センター)を所管する文科省の担当局のトップとして対応した。

 建設費が最初の1300億円から2倍近くに膨らんだことに批判が集まったことを受け、下村氏の国会答弁などで対応に追われる場面が目立っていた。

 責任の所在が見えない新国立計画の迷走。久保氏は、17日に安倍晋三首相(60)が計画の白紙撤回を表明したことに関連して「(整備計画の)検討チームに入っていたことはない。(首相表明を知ったのは)テレビだった」と発言していた。

 かねて文科省の責任を問うている東京都の舛添要一知事(66)はこれまで、「担当役人の処分は免れない。組織の長にその処分ができないのなら、自らが辞任するしかない」と自身のツイッターで下村氏らを猛攻撃していた。

 政府関係者は「舛添知事は“私はうるさ型”と称して、新国立競技場の整備計画をめぐり新たに立ち上げた閣僚会議への出席を希望した。舛添知事が政府から整備費用500億円の負担を求められていることに慎重なのは、新国立競技場の整備計画の反対派から行政訴訟を起こされるのを恐れてのこと。安倍政権は世論と舛添知事とに向き合いながら、整備計画を進めていくことになる」と語る。

 政府の迅速な“対応”には、舛添氏のプレッシャーが見え隠れする。