不正横行、クレーム続出するプレミアム商品券の問題点

2015年08月03日 06時00分

 地方振興の目玉とされるプレミアム商品券を巡って、全国各地でトラブル、クレームが続出している。発行額に限度があるため購入希望者全員に行き届かず、買い占めや転売などの不正利用も後を絶たないのだ。

 プレミアム商品券は地方創生、緊急経済対策で導入され、総額約1600億円分にも上る。各自治体が発行するもので、1冊1万円の商品券に20%のプレミアム(2000円分)が付くタイプがほとんどで、30%のところもある。

 抗議が殺到しているのは不公平となる販売方法だ。先着順や事前申し込みでの抽選制など自治体によって、バラバラで、購入上限も個人や世帯単位などと異なる。本人確認がずさんなところが多く、故人や架空の家族名義での購入も横行している。

 熊本・八代市では1人10冊(12万円分)まで購入可能で、代理販売も認めたことから1人で300冊(360万円分)以上の購入者が16人に上り、最高は620冊(744万円分)にもなった。

 東京・八王子市側から販売を委託された多摩信用金庫では、1冊5000円で20%のプレミアム(1000円)が付いた商品券302冊(181万2000円分)を職員や顧客に優先販売していたことが判明し、28日に関係者の処分を発表した。ほとんどの自治体で商品券は完売しており、購入できなかった人に対し、各自治体は平謝りする事態となっている。

 一方、転売屋や組織的な購入も多い。ネットオークション等ではプレミアム商品券が次々と出品されている。

「プレミアム商品券は、図書券や切手など換金性の高い金券の購入は禁止されていますが、電化製品や宝飾品などは対象外。高額になればなるほど利ざやを得られるからルール違反者は出てくる」(自治体関係者)

 商品券の財源はもちろん血税だ。「国は運用のガイドラインだけを作って、地方に丸投げです。役所は売り切ることしか頭にないから、混乱するし、悪用されるケースは二の次。買えなかった人は不満しかないから、いずれ責任者の石破茂地方創生相がヤリ玉に挙げられるでしょう」(永田町関係者)。せっかくの肝いり政策も逆効果となりかねない。