岸信夫防衛相(63)は5日、北朝鮮が日本海に向けて複数の弾道ミサイルを発射したと発表した。

 北朝鮮のミサイル発射は今年17回目。発射されたミサイルはそれぞれ、◆午前9時6分ごろ、最高高度約50キロで、約350キロ飛行、◆午前9時10分ごろ、最高高度約50キロで、約300キロ飛行、◆午前9時15分ごろ、最高高度約50キロで、約400キロ飛行、◆午前9時24分ごろ、最高高度約100キロで、約350キロ飛行、◆午前9時30分ごろ、最高高度約50キロで、約400キロ飛行、◆午前9時41分ごろ、最高高度約100キロで、約300キロ飛行したとみられている。

 弾道ミサイルは、いずれも日本のEEZ=排他的経済水域の外に落下したとみられ、現時点で、日本の航空機や船舶に被害は確認されていない。

 岸氏は「短時間で少なくとも3か所以上からミサイルを発射することは異例だ。連続発射の能力を向上させる狙いの可能性がある」との見方を示し、北朝鮮が国連の安保理決議に違反しているとして、外交ルートを通じて抗議した。

 一方、立憲民主党(泉健太代表)外交・安保・主権調査会長の末松義規衆院議員は「北朝鮮は今朝、短時間の間に短距離弾道ミサイルを8発も発射した。日本のEEZ外に落下したものの、極めて危険な地域の安全を脅かす行為である」とした上で「国連決議違反であることはもとより、米韓合同軍事演習直後の極めて威嚇的な行為である。断固として非難し抗議する」とした。

 朝鮮半島情勢に詳しい関係者は「北朝鮮のミサイル技術は進化しています。今回は複数発射。迎撃はますます大変難しいでしょう」と指摘した。