JR九州の豪華黄金列車が完成 幻の車両の復元秘話を公開

2015年07月19日 10時00分

豪華列車が模型のおかげでよみがえった

 JR九州の新しいD&Sトレイン(特定地域型観光列車)の「或る列車」が完成し、17日、報道陣に公開された。「或る列車」は、「原鉄道模型博物館」(神奈川県横浜市)に飾られていた模型を1分の1スケールで再現したもの。

「或る列車」は同館の創設者の故原信太郎さんが子供時代に操車場で目に焼きつけていた古い豪華車両を模型にし、展示していた。実は原さんが見ていたのは、「九州鉄道」が1906年に米国の会社に発注して造らせた豪華車両で、その後同社が国鉄に吸収されたため、活躍することなく姿を消した幻の車両だった。

 その模型を3年前に原鉄道模型博物館で見たJR九州の青柳俊彦社長が「当時豪華列車を走らせようとしていたと知りびっくりした。(豪華寝台列車の)ななつ星の次を練っていた時に、これを思い出した」といい、このアイデアを受けてデザイナーの水戸岡鋭治氏が「1分の1の模型を造りたい」と原さんの息子で同館副館長の原健人さんに伝え、実現した。

 金色に輝く外装は職人たちによって何度も磨きあげられたもので、正面の唐草模様は真ちゅう製、マークは鋳物。内装にはメープルやウォールナットを使い、調度品も地元九州の焼き物などにしてこだわった結果、「予算をオーバーしました。一両あたりななつ星と同じぐらいお金がかかっている」(青柳社長)という。

 8月8日~10月12日に大分~日田間で運行される分の乗車券はすでに完売。次は長崎で運行される予定。九州鉄道の社長が夢をかけた車両が模型になり、その模型が元で九州の地に列車として復活する。夢をつないでよみがえった奇跡の列車といえそうだ。