中国海軍の実力は「火縄銃」

2012年09月24日 12時00分

 沖縄・尖閣諸島沖に中国の漁船はいまだ姿を現していない。当局の漁業監視船が接続水域で行ったり来たりを繰り返しているのみだ。そんな中、人民解放軍の少将が「日本の自衛隊が来れば、中国はそれに相応する措置をとる」と上から目線で海軍投入を示唆した。また、中国メディアは「我が国の東海艦隊が多数の攻撃型原子力潜水艦を尖閣諸島海域に送った」などと報じている。あくまで強気だが、気になる中国海軍の本当の実力を専門家に聞いた――。 

 18日の朝鮮日報によると彭光謙人民解放軍少将は「両国間の限界ラインは釣魚島(魚釣島)に武力を投じることだ。自衛隊が釣魚島に入るなら、中国はそれに相応する措置をとる」と明言。さらに「中国軍はすでにいつでも任務を遂行するためのあらゆる準備を整えている。警戒が手薄で資源も限られた日本は戦術的にはともかく、戦略的には中国の相手ではない」と海上自衛隊は格下だと宣言した。

 また、香港メディアは「米偵察衛星が尖閣諸島海域の近くで中国の原潜を捕捉した」と伝え、フリゲート艦2隻が尖閣諸島の北北西約150キロの海域に19日夕方からとどまっているという情報も。いかにも中国側のヤル気ぶりを誇示している。

 強気にみえる中国だが、軍事評論家の神浦元彰氏(63)は「少将の発言は『弱い犬ほどよくほえる』ということ。100倍以上の戦力差がありますよ」と笑い飛ばす。

 大陸に位置する中国は伝統的にグラウンドパワーが強く、一方、海に囲まれた日本はシーパワーに力を入れてきた。中国は陸戦を多く経験してきたが、海戦は少ない。一方で海自は驚くほど技術的に進歩しているという。

「中国海軍はネット化していませんが、海自はネット化されています。飛行機で空から見ているものを、船でも見られる。中国海軍から海自の船が見えてない段階でも、海自は空から見て、ネットで情報共有している水上で対応できる。これは火縄銃と機関銃で戦うようなものです」(神浦氏)

 陸上戦でたとえれば、戦車にいながらにして山の向こう、狭い路地、ビルの屋上などに敵がいないかどうか手に取るように分かるということだ。逆にネット化していない中国海軍は手探りの戦いとなる。

 気になる中国の潜水艦については「海自より数は多いですが、ポンコツなのでエンジン音が大きい。海自は音ですぐ見つけられます。潜水艦の真下に魚雷を通過させたり、ヘリからアクティブソナーを出して位置や距離を割り出したりするのも簡単です。最近、米国のシンクタンクが海自と中国海軍がもし戦闘したらというシミュレーションをしました。結果は海自が圧倒的に強かったといいます」(同)。

 先述の少将も本当は日本の海自と自国の海軍の戦力差は分かりきっているはずだ。

「実際には中国海軍が尖閣まで来ることはないでしょう。海自も派遣されない。戦闘行為にはならないと思います」と神浦氏。ハイテク化された海自とは勝負にならないというのだ。