プーチン体制にひび割れ ベテラン外交官が捨て台詞吐き辞任「無謀で酷い政策」

2022年05月24日 13時24分

求心力低下のプーチン大統領(ロイター)
求心力低下のプーチン大統領(ロイター)

 プーチン独裁体制に新たなひび割れが生じている。スイスの国際連合ジュネーブ事務局でロシア代表部に勤めていたベテラン外交官が、自国のウクライナ侵攻に抗議して辞任したと英紙ガーディアンが23日伝えた。

「これほどまでに自国を恥じたことはない」との声明を発表して辞任したのはキャリア20年のボリス・ボンダレフ参事官。「今日の外務省のしていることは外交ではない」とし、「全ては戦争挑発と虚偽と憎しみだ。それはわが国のさらなる孤立と退廃をもたらす限られた人たちの利益のためだけのものだ」と自身のフェイスブックなどSNSでつづった。

 ボンダレフ氏はまた、「ロシアにもはや同盟国は存在せず、それは全て無謀で酷い政策の所為である」と言い切り、プーチン大統領を暗に批判した。

 ガーディアン紙によると、ウクライナ侵攻に抗議してロシア外務省の職員が辞任したのはボンダレフ氏の参事官が最高位だという。同紙との電話取材にボンダレフ氏は声明を発表したことを認め、23日に辞表を提出したと語った。

「辞表の決意はいたって単純なのもの」と説明。「自分の国が間違ったことをし、公務員の自分も間接的であれ、関与していれば、その政府と関係を断つことはそれぞれが決めることだ。われわれは責任を持たなくてはならない。だから、自分が許せないことに責任は持ちたくない」と論じた。

 今後についてボンダレフ氏は「もしこの困難な状況下で支援があれば、ありがたい」とし、亡命も視野に入れていることを明かした。

 ジュネーブを拠点に活動する国際人権団体「UNウォッチ」のヒレル・ノイアー常任理事はボンダレフ氏を「英雄」と称え、「私たちは国連や世界中で勤務している全てのロシア人外交官に対し、彼の道徳心を見習い、辞任してもらいたい」と訴えた。

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