過激な自撮りで「銃の誤射死」「爆死」「感電死」事故多発

2015年07月14日 06時00分

 スマホの普及で自分自身を撮影する自分撮り(セルフィー)がブームの中、エクストリーム・セルフィー(過激な自撮り)なる危険な撮影行為が問題視されている。戦闘機の操縦中にレンズを向けたり、肉食動物の口の中に頭を突っ込んでシャッターを切ったりと…。ロシアでは撮影中に事故が多発し、数十人の死傷者が出ていることから、安全な自撮りが呼びかけられるキャンペーンまで始まった。一体なぜ、命がけのエクストリーム・セルフィーにチャレンジする者が続出しているのか。

 ネット上には巨大ビル群を眼下に鉄塔の先端にぶら下がる写真やセスナから身を乗り出して自撮りしたもの、戦闘機のパイロットがミサイルを発射した瞬間のコックピット内、ライオンやサイなどの猛獣に顔を寄せたツーショットや、闘牛に追いかけられながらの一枚…など一歩間違えれば死へ一直線の画像や動画があふれている。

 ロシアでは今年に入ってから自撮り中の死亡者が数十人、負傷者が100人以上に上り、社会問題化していた。タス通信によれば、21歳の女性が銃を構えて自撮り中に誤射し、壁から跳ね返った弾が自分の頭に当たって、死亡した。手りゅう弾を持って自撮り中に爆発死した男や鉄橋によじ登って撮影していた男が感電死してしまうなど、より奇抜な写真を求めるあまりの死亡事故が相次いでいる。ロシア政府は「鉄道や屋上、列車の上や動物と一緒、武器を持ってのセルフィーは禁止」と安全啓発キャンペーンを始めるまでの深刻な事態になっている。

 3~4年前には、車が往来する公道や鉄橋の上など“あり得ない場所”でうつぶせになったり、横たわった姿を写したプランキング(死体ごっこ)がオーストラリアや欧州で大流行した。フェイスブックやツイッターなどSNSで注目を集めるために“死体”が宙に浮いて見えるアングルを求め、高い場所から転落死する人が続出するなど問題になった。

 プランキングは他人に撮影してもらう必要があったが、“自撮り棒”と呼ばれるカメラやスマホに取り付け、離れたアングルから無線通信等で撮影可能な補助機材の普及で、周りに制止する人がいないケースも多くなっている。

 ITジャーナリストの井上トシユキ氏は「本人たちはバカなことをやって注目を浴びようと思ったら行き過ぎて死んでしまっただけで、危険の意識などありません。“セルフィー中に交通事故に遭い、病院に搬送されるまでも自撮りを続けた”ことが、世界に配信されるまでのニュースになるわけです。海外の人は承認欲求が外を向いている」と指摘する。プランキングは一時のブームで終わった。自らの身の危険を冒すエクストリーム・セルフィーも歯止めがかかる日は来るのか。