米下院情報特別委員会の小委員会は17日、未確認飛行物体(UFO)に関する公聴会を開いた。「説明のつかないのは事実だが、実在するものだ。調査する必要がある」。小委員会のアンドレ・カーソン委員長は、こう強調した。米メディアによると、UFOに関する公聴会は約50年ぶりの開催。公聴会で証言した国防総省幹部はUFOを「遭遇してもすぐには特定できない空中の物体」と説明。米軍関係者が遭遇しており、飛行の安全に危険をもたらしているとして「起源を特定するための取り組み」に力を入れていると強調した。

 米国は1947年に「空飛ぶ円盤」を目撃したケネス・アーノルド事件、同年にUFOが墜落したとされるロズウェル事件を受け、すぐに空軍がUFO調査を行ってきた。48年の「プロジェクト・サイン」、49年の「プロジェクト・グラッジ」、52年からの「プロジェクト・ブルーブック」などだ。それぞれUFO目撃事例の分析、目撃者の心理分析などを行い、報告書が作成された。

 さらに政府が依頼し、物理学者など科学者による調査も行われた。53年の「ロバートソン査問委員会」、66年の「コンドン委員会」などだ。UFO研究家の竹本良氏はこう語る。

「ほかにも1966年には天体物理学者アレン・ハイネックを軸に米空軍にて、68年には下院で天文学者のカール・セーガン博士のほか、大気物理学、社会学、心理学等、各界著名な科学者を招き、UFO公聴会が開催されました。総じて半世紀前の結論は、UFO否定論に終始したものでした」

 今回の公聴会では、UFOという説明のつかないものが実在することが認められたが、竹本氏にとっては不十分な内容だったようだ。

「俯瞰(ふかん)して情報開示が不足している点は4つあります。円盤墜落のロズウェル事件。エリア51でJロッドという名の宇宙人がUFOの研究に協力していた件。1954年にアイゼンハワー大統領と宇宙人が会見し、グリーダ条約を結んだ件。1947年にトルーマン大統領が設置した宇宙人対策秘密機関のマジェスティック12の件。米国がまずこれらの情報開示をし、過去を清算した上でないと、新たなUFO対策に取り組むことなどできませんよ」と竹本氏は指摘している。