自転車の飲酒運転で免停も

2015年07月08日 10時00分

 悪質な自転車運転者に安全講習を義務付ける新たな制度が、6月1日に始まってから1か月間に、全国の警察が「危険行為」として摘発し、警察庁に報告したのは549件だったことが6日、同庁の集計で分かった。

 6月1日施行の改正道交法の施行令は、重大事故につながる危険行為として、酒酔い運転や一時停止違反など14項目を指定。549件の項目別の内訳は、信号無視が231件で最も多く、続いて遮断機が下りた踏切への立ち入りが195件で、この2項目で全体の77・6%を占めた。

 安全講習が義務付けられる同一運転者への2回以上の摘発は0件だった。死亡事故につながったケースがあったかどうかについて警察庁の担当者は「不明」としている。

 都道府県別では、東京都が189件と最多。121件の大阪府、51件の愛知県が続いた。

 道交法では自転車を含む軽車両も酒酔い運転は禁止されている。

「福岡は2006年の事故以来、県警が飲酒検問を強化したり、メディアも積極的に違反者の実名報道を行うようになったりして飲酒運転事故は大幅に減った。ただ、これが自転車になると意識は低くて、夜は飲酒運転だらけ。『車はダメだから自転車で飲みに行こう』と考える人も多い」とは福岡のテレビ局関係者。

 福岡市では06年に市職員が飲酒運転で児童3人が死亡する追突事故を起こし、道交法の飲酒運転の罰則強化の契機となった。一方、自転車の飲酒運転は多いという。

 同様の事例は日本各地で起こっている。ある飲食チェーン関係者は「正直、どこの居酒屋でも『自転車ならOK』は暗黙の認識としてある。飲んだ後、電車で帰り、最寄り駅から自転車に乗る人も多い。その中で自転車も飲酒運転は絶対ダメという意識が根付くと、日本中の多くの店舗で客足が確実に減る」と告白する。

 愛知県警では自動車の運転免許所持者を自転車の酒酔い運転で摘発した場合、悪質なケースでは30日から最長6か月の免停処分とする方針を示している。

 飲酒によって、判断力が低下すれば事故を起こすだけでなく、巻き込まれる可能性も増える。自転車も自動車と同じと、改めて危機意識を持つ必要がありそうだ。