箱根山噴火 東京五輪期間中も危ない「2020年までに最盛期迎える」

2015年07月02日 06時00分

 2020年東京五輪まで続く!? 気象庁は6月30日、箱根山(神奈川県)の大涌谷周辺で、小規模な水蒸気噴火が発生したと発表した。これに伴い、噴火警戒レベルを2(火口周辺規制)から入山規制の3に引き上げ、避難指示範囲を大涌谷の中心から半径約1キロに拡大した。地元住民は「夏の観光シーズンまでに終息してほしい」と願うが、専門家は火山活動はまだピークに達しておらず、東京五輪・パラリンピックまでは警戒が必要との衝撃見解を示した。

 箱根山での噴火が確認されたのは12世紀後半~13世紀以来、八百数十年ぶり。

 6月29日午前7時半すぎから約5分間、噴火の兆候を示す火山性微動を4月下旬からの火山活動活発化以降、初めて観測。同日正午すぎには気象庁の職員が大涌谷の北約1・2キロメートルで灰のような降下物を確認した。

 翌30日になると、周辺で有感地震が頻発。午前6時56分と午前10時32分ごろに箱根町湯本で震度3を観測し、気象庁職員が火山灰が積もっているのを確認したため、噴火と判断した。気象庁は噴火警戒レベルを2から3に引き上げ、大涌谷の中心から半径約300メートルだった避難指示範囲を約1キロに拡大した。

 箱根強羅観光協会の関係者は本紙に「避難指示範囲内に住んでいる方もいますので、何かあった時はすぐに避難場所に移れるよう準備をしています」。この日の地震については「揺れている時間は短いですが、縦揺れでグラッときました」と語った。

 地元住民も不安の色を隠せない。風評被害もあってか観光客は例年の半分以下にまで減少。夏の観光シーンズに期待していた矢先の噴火に「このままでは生活に支障が出る。夏までに何とか終息してほしい」(男性職員)と願うしかない。

 気象庁の北川貞之火山課長は会見で「注意深く監視する必要がある」とした上で「大規模な噴火につながるとは現時点で考えていない」と強調するが…。

 地震・噴火予知で知られる琉球大名誉教授の木村政昭氏(74)は「箱根山の火山活動はまだピークに達していません。いずれ大規模噴火が起きるでしょう」と指摘。

 同氏によると、2011年3月の東日本大震災以降、海側のプレートが日本列島を圧迫し続けており、北海道や関東地域の活火山はいつ噴火してもおかしくない状況だという。

「最初に悲鳴を上げたのが昨年9月の御嶽山で、続いて箱根山。今回の箱根山は小規模な水蒸気噴火だが、プレートの圧迫によって地下のマグマが徐々に上がってきていると推定される。ピークはまだ先。私の調べでは15年前後に箱根山やその周辺の火山が活発化し、20年までに最盛期を迎えるというデータが出ている。それは富士山も例外ではない」。20年といえば、東京五輪の開催年でもある。どんな噴火になるのか?

 木村氏は「大きな噴石を巻き上げる大規模な水蒸気噴火で終わる場合もあれば、マグマ噴火になる可能性もある。こればかりは現時点では何とも言えない」と話す。

 小康状態の火山にも注意が必要。木村氏は、昨年の水蒸気噴火以降、すっかり落ち着いたように見える御嶽山(長野、岐阜県)についても「終息したわけではない。箱根山同様、最盛期はまだ先。火山活動そのものは依然として続いている。(噴火の)前兆を確認したら、国は速やかに公表しなければならない」と警鐘を鳴らしている。