日本維新の会の藤田文武幹事長(41)は28日、国会内で会見し、今夏の参院選での国民民主党(玉木雄一郎代表)との相互推薦に関する合意を〝白紙〟にすると明らかにした。

 相互推薦は、両党が今月20日に一度は合意。参院選京都選挙区(改選2)では国民民主が維新の新人を、静岡選挙区(改選2)では維新が国民民主系の無所属現職を推薦することが決まっていた。

 ところが、合意の際に交わした文書の「政権交代を実現して日本再生のために尽力する」という記載に国民民主党内で異論が出ていたという。

 玉木氏は26日の会見で、榛葉賀津也幹事長に対し維新側と再協議を指示した上で「党内の適切な手続きを経たものでなく、党の公式文書になっていない」と話していた。

 藤田氏は会見の冒頭、「玉木氏は合意文書を破棄、白紙にすると先方の記者さんたちにべらべらしゃべっている。私自身と榛葉氏は、合意文書をまとめ上げたい思いはありました。だが(玉木氏が合意文書の白紙発言に関し)これは先方の最後通告だと受け取らせていただきまして、こちらも白紙にします」とした。

 玉木氏が維新との合意文書に反発した背景には、参院選後に与党入りがささやかれており「自民党に配慮したものだ」と見られている。

 藤田氏は「玉木代表は結構、自民党さんといろんなディール(交渉)をされていて、近々で話されている。私は玉木さんが自民党さん、連合さんに『どやされた』と認識しています。要は自民党さんとのディールと、われわれとの信頼関係のどちらを取るかで、向こう(自民党)を取られて、うちらをぶち切った。非常に残念です」と語った。