中国“UFO遺跡”の暗闘 「4000年の歴史」覆す遺物

2015年06月26日 06時00分

 6月24日はUFOの日。1947年のこの日、米・ワシントン州のカスケード山脈上空で世界で初めてUFOが目撃された。そして今、中国・四川省の北西部にある三星堆(さんせいたい)遺跡が“UFO遺跡”と呼ばれている。中国古代史を覆すような5000年以上前のものとされる超古代文明の青銅器などが8万点超発見され、同政府は大混乱。太古の時代にUFOがアフリカ大陸と中国大陸に飛来し、文明を築き、遺跡を残した――と話題になっている。その裏事情をさぐってみた。

 中国で「UFO遺跡」といわれる5000年以上前の超古代遺跡「三星堆遺跡」では1980年代に重要な発見があり、現在も同国内の考古学者たちが総動員で調査が進められている。国が総力をあげて調査する理由は、炭素年代測定法によれば、最古のものは5000年前どころか1万4000年以上前のものまであるという測定結果にある。

 三星堆遺跡の場所は四川省の省都・成都から北へ約30キロの広漢市の外れ。中国の古書物によると、三星堆の名称は、太古の時代に3つの星が天より落ちてきたことに由来する。そこには超高度で独自の技術や文化を持ち、謎の7つの符号を使う不思議な姿の人々が暮らしていたという。この古代文明は何の前触れもなくこの地に登場し、いきなり消失したとされる。

 三星堆遺跡から発掘された各種遺物には、獣と人を組み合わせた神の姿と、太陽崇拝が確認できる。これは古代エジプトの神々の姿と重なる。

 発見された金のレリーフに描かれた太陽と鳥の姿は、まさにエジプトの太陽神ラー、ハヤブサの頭に乗せて太陽を運ぶ姿そのものだ。解読不能な謎の符号はどの漢字のルーツにもあてはまらず、むしろ古代エジプトのヒエログリフや中東メソポタミア文明で使われたアッカド語の象形文字に近い。

 中国の考古学事情に詳しい中国人ジャーナリスト程健軍氏は「あまりにショッキングな発見の数々に近年、独・仏を中心に海外の研究者の調査参加も認めて真相の解明を行おうという動きもあります。もし発見が額面通り事実なら、人類の歴史さえ塗り替えかねない大発見となるでしょう」と話す。

 遺物はひっそりと三星堆博物館に所蔵されている。これまでの中国なら「人類の文明の起源は中国にあり!」と発見を大アピールするはずだが、極秘裏にされている。いったいなぜなのか? そこには、中国ならではの事情があるという。

「4000年の歴史」という言葉で知られているように、中国のルーツは黄河流域の中原から始まった黄河文明が正統とされている。紀元前2000年ごろの最古の王朝、漢民族の祖先が興した「夏」が歴史の始まり…つまり漢民族こそが中国を作った盟主というわけだ。

 世界4大文明の一つ黄河文明の最古の発掘物は紀元前7000年前とされているが、それも漢民族の祖先が石器時代に活躍した遺跡を示すもの。つまり中国では夏王朝以前には文明が存在しないことになっている。

 程氏は「漢民族こそが中国の正統な建国者ということになっています。ところが、今回の大発見は、はるかチベット高原を水源とする全長6300キロを超える中国最大の大河、長江上流。長江文明は漢民族のものではなく、少数民族由来のものであることは明らかです」と語る。

 中国の歴史では、黄河文明のはるか以前に優れた文明などあってはならないわけだ。

「ここで中国政府は奇策を思いついたようです。発見された巨大な目玉の飛び出した青銅のマスクは古蜀の伝説的王、蚕叢(さんそう)の姿を写したものだといわれています。彼は縦目を持ち、天文に通じており、太陽を崇拝していました。これらを根拠に『これは宇宙人の遺跡』と報じ、しかも全ての遺物は、黄河文明より新しい5000年前以内のものと断じたわけです」(程氏)

 いずれの調査結果も漢民族こそ中国正統の継承者という常識に反する。だが、少数民族や他民族の遺跡であるより、いっそ「UFO遺跡である」と発表する方が、中国政府にとって都合がいいらしいのだ。

 真実の調査結果が報じられる日は来るのだろうか。

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