黒たまご、等身大キティ…名物ロスが続く箱根・大涌谷

2015年06月27日 10時00分

黒たまごバージョンのキティちゃんも規制中

 小規模な噴火が起きる可能性があるとして、5月に気象庁が噴火警戒レベル2(火口周辺規制)に引き上げた神奈川・大涌谷周辺(箱根山)は、いまだ蒸気の勢いは衰えることなく緊張状態が続いている。大涌谷の2大名物が消え、間もなく2か月を迎えようとしているが…。

「1個食べると寿命が7年延びる」と言われる大涌谷名物「黒たまご」は警戒発令後、販売休止を余儀なくされた。黒たまごは、大涌谷に噴き出す温泉池に生卵を1時間入れてゆでることで、鉄分が殻に付着し、硫化水素との反応で黒くなるといわれるが、化学的には完全に解明されていない。

 大涌谷で黒たまごを製造、販売する奥箱根観光は「黒たまごは要件が揃った大涌谷でしかつくれないんです」と話す。大涌谷の湯を外部に持ち出し、沸かしたとしても卵の殻は黒くなることはない。湯の成分や温度、環境が絶妙にマッチしたことで生まれ、国内でも黒たまごを味わえる温泉地は数えるほどしかない。

 奥箱根観光は、今月13日に元箱根に仮店舗をオープンし、黒たまご関連グッズの販売を再開した。目玉となったのは、黒たまごを薫製状にした「燻製風味 黒タマゴ」。賞味期限が長い分、店舗にあった在庫分のみの販売だったが、2日で完売。“黒たまごロス”の大きさを改めてみせつけた格好だ。

 もう一つの“ロス”もある。大涌谷の土産店「黒たまご館」では、黒たまごと箱根寄せ木細工をモチーフした2種類の等身大キティちゃんが鎮座していた。黒たまごと並ぶシンボルで、外国人観光客からも絶大な人気を誇っていたが、大涌谷の規制に伴い、姿を消してしまった。

 キティファン“キティラー”の間では懐かしんだり、心配する声が出ていたが、奥箱根観光は「(キティは)大き過ぎて、運べないんです。店舗の中にしまってあります」とこちらも黒たまご同様、大涌谷の立ち入り規制が解除されない限りは、日の目を見ることはないという。

「できるだけ早く平常な状態に戻ってもらい、また人が入れるようになってほしい」(同)

“ロス脱出”の日が訪れるのはいつになるのか。