知らずにやってしまうキセル乗車 寝過ごした時も往復分の運賃が必要

2015年06月22日 06時00分

 千葉県立銚子商業高校の教諭(43)が通勤時にキセル乗車をしていたとして、千葉県教委から懲戒免職処分を受けた。

 この教諭は2013年10月から今年5月まで、自宅に近い千葉市のJR西千葉駅から隣の千葉駅まで回数券で乗車。そのまま東金市の求名(ぐみょう)駅まで行き、降車していた。求名駅は早朝や夜間は無人になるため、その時間帯を狙っていたものとみられる。

 この教諭は求名駅から学校まで自動車で通勤していたが、学校には自宅から高速道路で通勤していると虚偽の届け出をし、交通費総額100万円近くを不正受給していた。

 鉄道がらみでは今月、10代の“撮り鉄”少年5人が知人の男子高校生を暴行した疑いなどで逮捕された。少年らは、男子高校生からキセル乗車を駅員に告げ口されたことに立腹し、犯行に及んだ。

 鉄道業界関係者は「撮り鉄の不正乗車はずっと問題になっている。遠方の駅のホームに撮影に行く際、改札の外に出ないからと正規運賃を払わない。かつては一定時間改札を通過していないと降車時に自動改札機が切符に反応していたが、近年は駅ナカの飲食店などの充実もあり、緩和され、発覚しにくくなっている」と語る。

 実は、多くの人が悪意はなくとも不正乗車をしてしまいがちだ。

 JR東日本の旅客営業規則第68条では「計算経路の一部若しくは全部が復乗となる場合は、折返しとなる駅の前後の区間の鉄道営業キロ、擬制キロ又は運賃計算キロを打ち切つて計算する」と定められている。つまり、居眠りしてうっかり乗り過ごしてしまった時も、本来は折り返しの往復分の運賃を支払わなければならない。

「正直に名乗り出たとしても、多少の寝過ごしなら駅員によっては『今度から気をつけて』で済む話。ただ、その延長上に悪質な行為があるので、本来は軽視してはいけない」(同)

 JRの規則では不正乗車が発覚すれば、当該区間の正規運賃に加え、その2倍の料金を払わなければいけなくなる。