感染力弱いMERSが韓国で猛威を振るう理由

2015年06月14日 16時00分

 韓国保健福祉省は12日、中東呼吸器症候群(MERS)コロナウイルスに感染した73歳と78歳の男性2人が、同日死亡したと発表した。韓国での死者は計13人となった。聯合ニュースは同日、韓国・ソウル郊外の小学生がMERSコロナウイルス検査で陽性反応が出たと報じた。父親が感染し自宅隔離されていたといい、病院外で感染した可能性も出ている。


 感染は拡大の可能性があるが、本来MERSは感染力が低く、ヒト→ヒトへは感染しにくいはず。


 日本の厚生労働省も「季節性インフルエンザのように、次々にヒトからヒトに感染することはありません」としているが、韓国で2次、3次感染患者が出たのはなぜか。


 隔離されるべき患者が出歩いてMERSをばらまいていた事実も判明。自宅隔離中だった感染者が発熱し、タクシーに乗って病院に行ったことなどだ。韓国事情に詳しいルポライターの若杉大氏はこう語る。


「韓国に公(おおやけ)という概念はありません。あるのはウリ(身内)とナム(他人)という世界観です。公とは、顔を合わせることもない不特定多数の人を思う心。今回のMERSの拡大も韓国社会の公の欠如が招いた部分が多々あったと思われます。韓国では病院がMERS患者を一般病棟に入れ、家族に見舞いをさせていたといいます。韓国では見舞いで家族が病室に泊まり込むことはよくあります」


 家族の情を大切にする精神文化といえば聞こえはいいが、MERSの場合では感染を拡大するだけだ。「身内さえよければ、それ以外の他人はどうでもいいという意識なのです」と若杉氏。


 京畿道烏山空軍基地某部隊所属の幹部がMERSに感染し、見舞いに行った部下100人余りが隔離される騒ぎもあった。


「これも身内である上官の見舞いを優先させた結果」と若杉氏は分析している。