自民党の高市早苗政調会長(61)は29日、党本部で新型コロナウイルス感染拡大の影響に伴い受給額が減る年金生活者らに1人当たり5000円の臨時給付金に関して見直しを表明した。

 新年度の年金支給額は、4月から0.4パーセント引き下げられる。高市氏は15日に茂木敏充幹事長、公明党の石井啓一幹事長らと官邸に行き、岸田文雄首相に対し、年金生活者に5000円の支給を申し入れていた。

「新型コロナ対策の予備費を活用して、年金額が大きく減ることがないように補填しようと考えていたが、反対の声も多いということで、今年度の予備費は使えなくなった」と話した高市氏は「事務的にも間に合わなくなったので、この話(年金生活者への5000円支給)はなくなった。どういう人が支援の対象か、今後ゼロベースで議論する」とした。

 今回の臨時給付金をめぐっては与野党を問わず「参院選に向けたバラマキだ」と批判の声が上がっていた。

「5000円臨時給付金は再検討になった。茂木、高市両氏は総務会などを通すなどの党内プロセスを踏まずに政局ありきで進めてきた結果、白紙撤回に追い込まれた格好です」(自民党議員)

 一方、立憲民主党の小川淳也政調会長はこれを受けて「参院選ごとの公金による高齢者買収ではないか。我が党が中止を申し入れしたのは3月22日。白紙撤回は当然」とのコメントを自身のツイッターに投稿した。