橋下市長側との“話し合い”も決裂 串かつ有名店に退去命令

2015年06月10日 16時00分

 老舗が消える。大阪市は8日、同市北区梅田3丁目のJR大阪駅前地下街にある串カツ店「松葉」と周辺の店、計5店舗が市の道路を不法占拠しているとして、それぞれに10日までに立ち退くよう命令書を交付した。退去しない場合は行政代執行で強制的に撤去する場合もあるとしている。


 市は同駅前の地下道の幅を8メートルから15メートルにする拡張工事に伴い、昨年9月に事前に申し入れた上で地下道の約20店舗の占有許可を打ち切ったが、今回の5店舗は立ち退かなかった。中でも松葉は1954年から市の道路占用許可を毎年更新しながら、同所で営業する有名店だった。松葉側は「コメントできない」としている。


 いたるところにケンカをふっかけるスタイルの橋下徹大阪市長(45)だが、この件に関しては珍しく“穏健派”で平和的解決を模索していた。


 今年2月の会見では「そこでずっと営業されて、確かに営業ができなくなると従業員の皆さんの生活もあるので、お店としては切実な問題だと思っています」と慎重に言葉を選びつつ「あそこを市民のみなさんの道路として利用させてもらいたい。非常に道路が狭いので通路の拡幅というところで市民のみなさんに返してもらえないかなと思っています」と呼びかけていた。


 占有料は1平方メートルあたり年間2万2000円といわれる。近くには西日本有数の歓楽街の北新地がある立地だが、近隣の店舗の賃料の8分の1から9分の1ほどという“超破格”の契約だった。


 市側の代替地の提案も「賃料が高い」という理由で断っており、更新を打ち切って以降は不法占拠の状態になってしまったため、代替地の提案もできない状態だったという。


「長年、大阪の名物のお店としてやっていただいた」として「できれば話し合いでと思っています」と橋下市長は話していたが、結果は失敗に終わったようだ。