氷バケツに続く「おっぱいコーラチャレンジ」に賛否

2015年06月10日 10時00分

乳がん啓発キャンペーンでおっぱいコーラチャレンジを披露する女性(インターネットから)

 氷バケツの次はおっぱい!? 昨年夏に氷水を頭からかぶって、難病ALS(筋萎縮性側索硬化症)を認知させる「アイス・バケツ・チャレンジ」が世界的流行となったが、今年はおっぱいにコーラを挟んで、乳がんを啓発する「おっぱいコーラチャレンジ」が米国発で世界的な広がりを見せている。賛否両論渦巻くキャンペーンは、日本でも広がるのか――。

 

 

 フェイスブックやツイッター上で先月から火がつき始めたのが「Hold a coke with your boobs challenge」(あなたのおっぱいでコカ・コーラを挟んで)。フェイスブック上の公式ページでは、おっぱいでコーラを挟む女性たちの写真や動画が続々とアップされている。


 挟むのはコカ・コーラに限定されているワケではなく、ペプシもあればビールやジュースなどさまざま。大きさも缶や瓶にとどまらず、1・5リットルのペットボトルを挟んでいる女性も。手やニップレスで乳首を隠したり、タンクトップや衣類で谷間だけなどを見せたりが大半だが、中には完全トップレスを披露している女性もみられる。


 公式ページでは「最初は乳がんとか関係なく、冗談で始めたが、今では立派な啓発キャンペーンになっている」と説明している。性別や年齢、バストの大きさに関係なく、参加が呼びかけられているとあって、無理やり谷間を作って、チャレンジを成功させている男性もいる。


 SNSでのキャンペーンで思い起こされるのは、昨年ブレークした「アイス・バケツ・チャレンジ」だ。ネット上で指名を受けた者は24時間以内にALS協会に100ドル(約1万2500円)寄付するか、氷水をかぶるかを選択し、新たに3人を公開指名するルールだった。チャレンジ中の事故で死者が出たり、イジメにつながるとの批判をよそに米オバマ大統領(53)やiPS細胞の山中伸弥京大教授(52)、浜崎あゆみ(36)ら主にセレブやIT業界、政界を巻き込んでのお祭り騒ぎとなった。


 今回の「おっぱいコーラチャレンジ」は指名や寄付などの明確なルールはなく、一気に広がる要素は少ないが、世界的に関心が寄せられている。男性は、単純におっぱい見たさのスケベ心や乳がんの実態をよく知らないことで、キャンペーンに賛同する向きがみられる一方、特に女性の間では、すんなり賛同とはいかない事情がある。


 日本で乳がん啓発の活動を行っているNPO法人・乳房健康研究会の広報担当者は「乳がんへの注目が高まる良さがあるかもしれないが、胸の写真を出すことで乳がんの患者さんを傷つけることがあってはいけない」と話す。


 他の乳がん啓発団体も「キャンペーンとしての筋が違うような気がする」と違和感を隠せない。日本で女性の乳がん患者数は増加の一途にある。女性の象徴でもある乳房の切除を余儀なくされるケースも多く、デリケートな話題だからだ。


 8年前に女性誌が、乳がん撲滅チャリティーとして、高岡早紀(42)や梨花(42)、中島知子(43)らのセミヌード写真を企画・発表したが、乳がん患者団体から猛批判にさらされた。乳がん啓発キャンペーンはピンクリボン運動として、知られているが、女性の胸や裸が強調される手法はほとんどないという。


 日本は欧米圏と比べ、公然と胸を露出することには抵抗が大きく、関係団体は今後、「おっぱいコーラ――」がブームとなるかには懐疑的だ。外国人タレントのフィフィ(39)は「日本でやるバカ出て来ると想像したら反吐。身内がやったら怒るわ」とツイートしている。「アイス・バケツ・チャレンジ」のように善意のキャンペーンという“錦の御旗”だけで済む問題ではなさそうだ。