節分の恵方巻きに続いて「夏越ごはん」は定着するか

2015年06月11日 10時00分

 大みそかに食べるのは「年越しそば」。では、1年の折り返し地点で食べるものは? 公益社団法人「米穀安定供給確保支援機構」が今年から「夏越(なごし)ごはん」を食べようと提唱している。

 もともと、全国の神社で6月の最終日に「夏越の祓(はらえ)」という神事が行われている。鳥居の下に茅やワラでできた大きな輪を設け、宮司に続いて一般参拝者がこの輪をくぐる「茅(ち)の輪くぐり」。1年の半分を過ぎ、後半の健康と厄よけを願い「水無月の夏越の祓する人は千歳の命延ぶというなり」と唱えながら、8の字を書くように3度輪をくぐる。その起源はこんな日本神話だ。

 昔、ある兄弟がいた。1人の旅人がある夜、一夜の宿を求めたが、裕福な兄は冷たく断り、反対に貧しい弟「蘇民将来」は温かくもてなした。数年後、旅人は恩返しにやって来た。この旅人こそスサノオノミコトで、茅の輪をかけると、疫病から逃れ、子孫は繁栄したという。この厄よけの札を「蘇民将来札」として魔よけで飾るようになった。

 夏越の祓で食べるものの定番は、これまで「水無月」というお菓子だった。京都では伝統的なお菓子とされており、削りたての氷をイメージした三角形に厄よけの小豆が乗る。

 今年から提唱される「夏越ごはん」は、神事に合わせた行事食として、粟や豆が入った雑穀ごはん、または小豆ごはんの上に、茅の輪をイメージした旬の野菜を使った丸いかき揚げをのせる。それに百邪を防ぐ旬のしょうがやレモンを利かせた大根おろしをかける。いわばかき揚げごはん。これにだしをかけて茶漬けにしてもおいしいという。

 30日には都内の「赤坂氷川神社」で試食できるほか、計34の神社で夏越ごはんのレシピと雑穀米が配布される。さらに、15~30日の期間限定で居酒屋チェーン「土風炉」など74店舗でも夏越ごはんメニューが展開される。

 節分の恵方巻きに続き、夏越ごはんが定着するか。