韓国MERSで大迷走「ラクダ食べるな」と珍呼びかけ

2015年06月07日 18時00分

 中東呼吸器症候群(MERS)コロナウイルスの爆発的感染が懸念される韓国が迷走している――。ウイルスの消毒方法について韓国政府が明確な指示を出せないため、韓国内のある航空会社はどうしていいか分からずに殺虫剤を散布したという。また、中東に生息するラクダが有力な感染源と特定されると、同政府は何を思ったか、ラクダの生肉を食べないよう国民に呼びかける一方、なぜか動物園のラクダを隔離するといううろたえぶりだ。

 

 

 韓国の文亨杓保健福祉相は5日、最初の患者が入院し30人の感染者が出た病院をソウル南方の「平沢聖母病院」だと明らかにし、5月15日から29日までに訪れた人は名乗り出るよう呼び掛けた。


 遅きに失した通達というしかないが、韓国政府はこれまで「不安を招くから」と、病院名を公表しなかった。だが、同病院の病室の天井に設置されたエアコンのフィルターからウイルスが検出されていたことが分かった。院内が広範囲に汚染され、その後も多数の外来患者や見舞いに訪れた者が「感染した恐れがある」と説明している。


 すべてにおいて“後手後手”感が漂う韓国政府の対応。しかも、およそ欧米や日本では考えられない出来事が頻発している。


 中でも驚かされるのはアバウトすぎる指示。政府は1日に、感染拡大を防ぐため国内の航空8社の関係者を集め、MERS関連対策会議を開いた。韓国紙「亜洲経済」によると、会議では韓国・国土交通部が各社に防疫に努めるよう要請を出した。ところが、だ。


 航空会社から「具体的にどのような消毒剤を使用すべきなのか」を問われると、明確な回答ができなかったという。「ワクチンもなければ、政府はMERSの感染経路も把握できていない。航空機の消毒も、各社がそれぞれ対応する状況だ」(同紙)


 航空各社は機内消毒に「コロナウイルスに効果がある」とされる消毒薬を独自に探して使用したという。だが、中には殺虫剤をまいている社もあったという。


 もちろん、殺虫剤がウイルスに効果があるとは思えない。


 また、ラクダが有力な感染源と特定されると、韓国・保健福祉部は、何を思ったのか「ラクダとの密接な接触を避け、ラクダの生肉を食べないように」と呼びかけ、動物園のラクダ2頭が検査のため、隔離されたことも明らかになった。さすがにこれには、同国のネットユーザーたちもあきれ顔。


「どこでラクダの生肉を売ってるんだ。アフリカじゃあるまいし」「感染者を隔離せず中国まで行かせてしまったのに、動物園から出るはずもないラクダを隔離か」などと厳しいツッコミが入る始末だった。


 保健福祉部は5日、感染者の男性(76)が4日に死亡し、軍人1人を含む5人の感染が新たに確認され、感染者は死者4人を含む50人となったと発表した。


 感染力はそれほど強くないといわれているMERSだが、すでに日本に上陸している可能性もあるだけに、日本政府にはしっかりした対応を望みたい。