ロシアによるウクライナ侵攻が続いているなか、世界的に有名なロシアの特殊任務部隊「スペツナズ」の残虐な訓練を英紙「デーリー・スター」が伝えた。

 スペツナズとは特殊任務部隊という意味で、英陸軍特殊空挺部隊SASや米海軍特殊部隊ネイビーシールズのような、軍のエリート部隊を指すわけではない。ロシア連邦保安庁、内務省、ロシア連邦軍参謀本部情報総局(GRU)など、それぞれのエリートがスペツナズを抱えている。中でもGRUのスペツナズはSAS、ネイビーシールズ、米陸軍特殊部隊グリーンベレーと並ぶ世界最高峰の、軍の特殊部隊だ。

「デーリー・スター」によると、陸軍、海軍のスペツナズ志望者は訓練での脱落率が90%。つまり、事実上たった10%しかスペツナズに入隊できないわけだ。

 同紙は「スペツナズの訓練は世界で最も厳しいと考えられており、新兵は経験したことがないほどの苦痛を味わうように設計されている」と報じた。訓練には爆発物の扱い、射撃、テロ対策、残忍な白兵戦、さらには水中戦闘が含まれる。

 その訓練は“世界の特殊部隊の教科書”と呼ばれるSASとは違って、命の危険がある。インストラクターが実弾で新兵に発砲する間、新兵は厳しい攻撃訓練を余儀なくされる。対人格闘の訓練では戦場での落ち着きを体験するため、本物のナイフで格闘するという。

 その中でも最も悪名高いトレーニングプログラムは“シャベル戦争”なるもの。同紙によると「スペツナズに入隊するには、シャベルだけで人を殺す能力を持たなければならない。新兵がシャベルだけを持たされ、野犬と一緒の部屋に閉じ込められ、生きて出てこなければならない。そして初めて“人間兵器”となる」。

 つまり犬をシャベルで殺さなければ、訓練完了にならないというわけだ。