中国転覆事故で訪日観光客さらに増加必至

2015年06月08日 10時00分

 中国湖北省荊州市監利県の長江(揚子江)で456人乗りの客船「東方之星」が1日夜に転覆した事故で5日、船体が水中から引き揚げられた。


 5日までに14人が救助されているが、新華社電によると331人の死亡が確認され、残る不明者の生存は絶望視される。中国当局は情報統制し、現場に近寄らせないなどしたため、不満を抱く乗客の家族が、会見会場に乱入したり、道路上で座り込みを試みたりするなど抗議の動きも出た。


 中国事情に詳しい旅行業界関係者は「長江巡りのクルーズ自体は4日間で4万~5万円ぐらいだが、現地への移動費などを考えると中国国内でも都市部の富裕層が多く参加していた」と指摘する。


 今回の事故を受け、中国では改めて安全への関心が高くなっており、今後、日本への観光客がさらに増加するとみられている。「中国人は、普段の生活ではそれほど意識していないが、今回のような事故が起こると交通機関や各種サービス、有事の対応などの稚拙さを思い知らされる。2011年の新幹線事故以降、日本への観光客が急増したんです」(前出の関係者)


 中国人観光客といえば日本製品の爆買いばかりが注目されるが、日本に来る理由の一つには安心・安全もあるという。


「日本では電化製品などを爆買いし、タクシーに載せようとしても安全のために一定量までしか積んでくれない。中国人は最初こそ不思議に思うが、日本は慎重で安全な国なんだという意識になる。大金やカード、商品などを部屋に無造作に置いていてもホテルの従業員に盗まれないし、飲食店でも宿泊施設でも不手際があればすぐに対応してくれる。そういう安心も富裕層からの評価が高い」(同)。もはや中国国内で“安全神話”の到来が望めない以上、訪日客は増える一方となりそうだ。