ロシア軍は包囲攻撃を約3週間続けるウクライナ南東部マリウポリで同国軍と激しい市街戦を展開している。30万人以上の市民が孤立化し、電気や水道を断たれるなど人道危機が深刻化。ロシア軍は早期制圧を目指して攻勢を強めており、欧米諸国は化学兵器の使用を警戒している。国連難民高等弁務官事務所(UNHCR)のグランディ難民高等弁務官はツイッターで20日、国内外の避難民が1000万人に達したと指摘した。

 ウクライナのゼレンスキー大統領はビデオ声明で「包囲は、戦争犯罪として歴史に刻まれる。何世紀にもわたり、人々の記憶に残るテロだ」と非難した。

 世界中のメディアが病院や学校を攻撃するロシア軍つまりプーチン氏の異常性を非難している。そんな中、欧米メディアがプーチン氏の残虐性を示すため、ロシア軍が過去に行ってきたとされる残虐な拷問術を報じている。

 英デーリー・スター紙は「1990年代にロシアがチェチェンに侵攻した時、プーチンの軍隊は、捕虜に対して、電気ショック、殴打、窒息、化学薬品風呂など、さまざまな恐ろしい拷問を行った」と報じている。

 同紙がロシア軍の捕虜になったチェチェン軍の兵士に聞き取り調査を行ったものだ。最も苦しく、何度も行われたのは「象」という名前の拷問だという。

 生存者たちは「後ろ手に縛られ、ガスマスクを着けられた。呼気口をふさがれ、窒息しそうになる。死にそうになる直前、彼らは呼気口を開放し、こちらが深く息を吸い込もうとした瞬間に、CSガス(催涙ガスの一種)を噴射。それを何度も繰り返す。それをされると何でも“自白”してしまう」と語っている。

 ガスマスクが象の鼻のように見えることから、この拷問名がついたのだろう。