7億円の覚醒剤をラー油に偽装 逮捕された中国人容疑者の評判

2015年06月06日 10時00分

逮捕された章凱容疑者の自宅マンション

 ラー油に偽装して、末端価格約7億円の覚醒剤を密輸していた中国籍の自称医師がお縄になった。2012~14年、東京・新宿区の自宅マンションで覚醒剤約190グラムを密造していたとして覚醒剤取締法違反容疑(営利目的製造)で警視庁に逮捕されたのは章凱容疑者(59)。

 昨年9月、中国本土から都内の台湾料理店宛てにラー油の瓶40本が空輸されたが、実はラー油に見せかけた覚醒剤の液体。瓶は未開封の製品を装い、液体はラー油に似せるため赤く着色されていた。これに化学物質を加えると覚醒剤になる。その量、実に8キロ。粉末にした場合は末端価格で7億円にのぼる。

 税関から通報を受けた警視庁は、まず荷物の送付先である東京・新宿歌舞伎町の台湾料理店の男性店長ら中国人3人を麻薬特例法違反容疑(輸入)で逮捕。店長らは「覚醒剤とは知らなかった」と供述し、処分保留で釈放されたが、捜査過程で店に出入りしていた章容疑者が浮上した。

 章容疑者宅からは数百グラムの覚醒剤のほか、メモ書きされた製造マニュアル、フラスコなどの器具が押収された。「製造したことは一度もない」と否認している。

 章容疑者とはどんな人物だったのか? 自宅マンション近くに住む住人は「身長は180センチ近くあって、体格もよかった。奥さんらしき中国人女性と2人暮らしで、その女性が『この人は先生なの』と紹介していたので、みんな『先生』って呼んでいた。アイスが大好きでコンビニで5~6個大量買いしては近所の人に配っていた。日本語も達者で、会えば『元気?』とあいさつしてくる気さくな人だった」と話す。

 だが“ラー油密輸”がバレた昨年後半ごろから、妻らしき女性は「先生はいろいろあって中国に帰ります。私は別の場所に引っ越します」と周囲に触れ回っていたという。当局の捜査が及ぶことを察知し、故郷に逃げる準備をしていたのか。

 当局は背後に中国の犯罪組織による大規模な覚醒剤の密輸・製造ビジネスがあるとして捜査を開始。すでに国外逃亡した指示役の中国人の男(64)についても逮捕状を取って行方を追っている。