航空自衛隊に「宇宙作戦群」が発足した。自衛隊の宇宙領域での活動を指揮、統制する新設部隊と既存の「宇宙作戦隊」などで構成し、17日付で新たにスタート。当初は計約70人で、2022年度には拡充して計120人体制となる。

 政府は新たな防衛力の軸として、宇宙・サイバー・電磁波の3領域を重視。17日には「自衛隊サイバー防衛隊」が発足しており、相次ぐ新部隊の編成で、機能強化を図りたい考えだ。

 防衛省は23年度の運用開始を目指し、山口県山陽小野田市に宇宙監視用レーダーを建設中。作戦群はこのレーダーや、26年度までに打ち上げる衛星でつくる宇宙監視システムを運用し、宇宙ごみ(スペースデブリ)の監視などに当たる。米軍や宇宙航空研究開発機構(JAXA)とも連携する。

 防衛省によると、作戦群の拠点は東京・府中基地に置き、群本部(約20人)と指揮、統制や陸海空自衛隊の部隊との連携を担当する「宇宙作戦指揮所運用隊」(約30人)、20年に設置された宇宙作戦隊(約20人)で新編した。22年度には山口県防府市の空自防府北基地に、電磁波による人工衛星への妨害行為の監視を担う「第2宇宙作戦隊」(約20人)を新設する。府中の作戦隊は「第1宇宙作戦隊」に名称を改め、約40人に増やす。山口県のレーダーは第1作戦隊が遠隔で運用する。府中には、装備の維持管理をする「宇宙システム管理隊」(約10人)も置く。宇宙での活動が本格化し、わくわくする展開にUFO研究家の竹本良氏は「まずはおめでたいですね。しかし、陸海空に加えて宇宙領域の確保という足し算の発想はなんとかならないものでしょうか? 米国の宇宙軍のように陸海空を宇宙で統合するという観点にはなれないのですかね」と指摘する。

 とはいえ当然、今後はUFOと宇宙人も視野に入ってくるだろう。竹本氏は「宇宙作戦群の群はさらに加算してゆく計画なのでしょう。ならば『第3宇宙作戦隊』として、UFO・宇宙人に特化した部隊。さらにリモートビューイング(遠隔透視)などのサイキック(超能力)に特化した『第4宇宙作戦隊』を開設したらいかがでしょう。100年を見通すくらいの宇宙軍構想の中での宇宙作戦群を期待したいものです」と語った。