自民党麻生派「志公会」に所属した佐藤勉元総務相ら4人は25日、麻生太郎副総裁に退会届を提出した。

 佐藤氏は麻生氏と国会内で会談後、報道陣の取材に対し「4人とも思いを持って、一身上の都合で辞めると伝えた。麻生先生からは、世話になったという話があった」と説明した。

 しかし党内では佐藤氏が麻生派を離れた理由については、緊急事態宣言中に東京・銀座のクラブを訪問した問題で離党し、衆院選で落選した松本純元国家公安委員長の派閥復帰させたことや昨年の総裁選で派内で一悶着が起きていたことが原因だと囁かれている。

「佐藤氏は松本氏の派閥復帰に反発して麻生氏と物別れしたと言われています。もう一つは総裁選で佐藤氏らは岸田文雄首相ではなく河野太郎氏を推して、派閥が一つにまとまることができなかったことが問題になっていた」(自民党関係者)

 今後、佐藤氏は菅義偉前首相と関係が深いことから、来月13日に都内ホテルで開かれる党大会までに「〝菅グループ〟の結成に参加するのではないか」(同)という。

「菅前首相は無派閥の議員を中心に自ら電話して『身を切る実力行使を一緒に行おう!』と決起を促しています。麻生会長は、次の衆院選に立候補しないと見られている。派閥が混乱する前に動いた佐藤氏らの行動には一定の理解が示せます」(自民党議員)

 麻生派は佐藤氏らの退会で安倍派、茂木派に次ぐ第2派閥に後退した。