ウクライナのゼレンスキー大統領は24日、ロシアによる軍事侵攻を受けて同国全土を対象に戒厳令を発表した。

 米国CNNによると、ゼレンスキー大統領は同国民に対し「パニックを起こさないでください。我々は強く準備ができています。我々は誰に対しても勝つでしょう。我々はウクライナ人なのですから」とビデオメッセージを公表し、平静を保つよう呼びかけた。

 ゼレンスキー大統領は政治家になる前職は、俳優・コメディアンとして国民的な人気を博したことで知られる。

 経歴はキエフ国立経済大学で法学の学位を取得した後、コメディーを追求し、制作会社「Kvartal95」を設立、映画、漫画、テレビ番組を制作。ゼレンスキー氏がウクライナ大統領を自ら演じた「国民の僕」は大ヒットした。

 その後、2019年のウクライナ大統領選挙に立候補。ペトロ・ポロシェンコ大統領を破り当選し、政治家としてのキャリアをスタート。新型コロナウイルス対策やウクライナの汚職に取り組んだ。

 ところが最近は権威主義体的な振る舞いを見せたことから国民に批判されるようになった。

 国際情勢に詳しい関係者は「ゼレンスキー政権はロシアが軍事侵攻する前、反ロ・ナショナリズムをあおり、自らの権力基盤を強化していた。政治家としてはポピュリストのタイプです。北大西洋条約機構(NATO)は、ゼレンスキー政権のポピュリズムに踊らされた格好です」と語った。