鉄道マニアの暴走が止まらない。近年、マニアの一部が鉄道車両の撮影をする際にマナー違反をして社会問題にもなっているが、これは暴挙すぎるという事件が起こった。

 被害に遭ったのは「特急・踊り子号」として40年間も走り続けてきた185系車両。22日、何者かによってグリーンストライプ部分の塗装をはがされてしまったのだ。

 この車両は同日、「団体列車 185系で行く水上の旅」として埼玉県の大宮から群馬県の水上間を往復したのだが、事件は都内の上野駅到着後に起こった。ある鉄道ファンはツイッターに「今日185系水上団臨で塗装剥がして持ち帰る撮り鉄が上野にいたらしいね」と書き込んでいる。

 特急・踊り子号として40年間も走ってきた185系は鉄道ファンに大人気。しかし昨年3月12日、E257系リニューアル車両の運用拡大に伴い、定期運転を終了している。その後は、臨時列車として運用されるようになった。多くの鉄道ファンは、このような臨時列車に乗ったり、撮影したりして、185系を見守り続けていた。そんなファンを刺激するような事件だ。

 神奈川県に住む鉄道ファンの男性はこう明かす。

「185系を見るため上野駅に行き、各車両をカメラに収めようと思ってホームを歩いていると、車両の塗装が一部はげていました。誰かやったな!と思いました。臨時列車の運用になってからは、出番が少なくなったので雨ざらしになっていることが多く、塗装部分にデコボコが見られるようになっていたのは事実です。浮いている部分を見つけてゴソッとはがしたんでしょうね。こんなことは許せません」

 185系といえば、車両の側面に3本のグリーンストライプが入っている。国鉄時代の車両ということで、人気があるばかりでなくロマンもかきたてられる。そのグリーンストライプ部分の塗装がはがされてしまったのだ。

 鉄道敷地内で撮影をしたり、ホームに脚立や三脚を立てて撮影をしたりするなど、鉄道ファンによる暴走は問題になっている。マナーを守って“撮る”ならば問題はない。しかし、“盗る”ことは絶対に許されない。