ベラルーシの「ニート罰金法」が国際社会から大批判浴びる理由

2015年05月02日 07時30分

 半年間職に就かず納税していない国民に罰金を科す新法案が、旧ソ連のベラルーシでこのほど成立したが、国際的に大批判を浴びている。

 いわゆる「ニート罰金法」で「健康な国民の就労を促し、国家支出の財源作りへの参加を義務付ける憲法の尊重を強調する」のが狙い。罰金は約3万円、支払わなければ拘束され、地域のボランティアをさせられる。未成年や障害者、学生、55歳以上の女性、60歳以上の男性は除かれる。

 ニート、ひきこもりはもはや世界的な問題で、日本語の「HIKIKOMORI」は専門家の間では国際的になり、その対策が各国で議論されている。

 だが、ベラルーシのニート罰金法には「逆効果だ」「旧東ドイツをほうふつとさせる奴隷制度だ」などの声が上がり、国際人権連盟はベラルーシ政府に対し「人権上問題がある。即刻、法令と強制労働の廃止を求める」との声明を発表した。

 問題なのはこの法律を発案したのがベラルーシのアレキサンドル・ルカシェンコ大統領(60)であること。現代欧州の最後の独裁者と呼ばれ、ヒトラーを「彼のおかげでドイツは残骸から立ち直った」と称賛し、軍服にちょびひげという風貌までマネしている人物だ。

「選挙では毎回70~80%の支持を集めて1994年から政権を握っていますが、選挙の不正や野党候補を逮捕するなどの取り締まり、選挙妨害などへの関与が問題視されています」とは同国に詳しいジャーナリスト。

 同大統領は、これまでにも様々な“奇法”を作っている。

「女性が美しいと評判のベラルーシで『美女は自国の財産』と美人の“輸出”を禁止したり、アルコールや麻薬の中毒患者を治療センターという名ばかりの施設に封じ込めて強制労働させているともいわれています。アイスホッケー好きであることから、国内各地にアイスホッケー場を作り、長野五輪にはお忍びで来日したといわれています」(同)

“奇人大統領”による人権無視のニート対策法だけに世界でマネされることは、ほぼないとみられている。

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