菅義偉官房長官(66)が11日、横浜市内の街頭演説で、「これを契機に『やはりアジアの拠点は日本にしよう』という優良企業が増えてくる。名前は出さないが、アップルに匹敵するような企業が準備を進めている」とぶち上げた。アップルは神奈川県横浜市に技術開発拠点を建設する計画を進めている。“アップル級の企業”について、グーグル、マイクロソフト、サムスンなどの企業がささやかれているが、一体どこなのか。
菅氏の発言は統一地方選のリップサービスなのか。それとも本当なのか。そもそもアップルが日本に技術開発拠点を置く利点はどこにあるのか。ITジャーナリストの井上トシユキ氏は「iPhone(アイフォーン)のアジアでの販売を拡大したいアップルとしては、優良な部品のある日本ならものづくりの都合がいいことと、日本に拠点を置くことで東アジアに力を入れるアピールになることの2点があります」と語る。
これらのメリットはほかの企業にもあてはまる。
「マイクロソフトのタブレット『サーフェス』はiPad(アイパッド)より使いやすいと評判です。アジアでiPadが独り勝ちなのはマイクロソフトとしてはまずいので、巻き返したい。アジア重視のために日本に拠点を置くことは考えられる」(井上氏)
一方、グーグルやフェイスブックにも事情がある。「アジアではSNSといったらLINEやカカオトークが大人気です。これをどうにかしたいと考えているでしょう。マイクロソフトと同じく、アジア重視をアピールしたいはずです」(同)
また、グーグルは自動車に関心が高い。
井上氏は「部屋と外出先はスマホが押さえている。そこをつなぐ車をいかに押さえるかがグーグルの課題。日本にはトヨタをはじめ自動車会社が多いですから、メリットはある」と指摘する。
しかし、サムスンだけは別だという。「サムスンはありえないでしょう。日本で売りたい考えはあるけど、日本に拠点を置くより、韓国中心の方がコストがかからない。サムスンのスマホは中国のメーカーとの価格競争になっており、コストには慎重です」と井上氏は語った。
菅官房長官がほのめかした“アップル級の企業”はココだ
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