先端半導体工場の国内での建設を後押しするための関連法改正案が20日、参院本会議で可決、成立した。生産施設の整備計画を申請した企業に対し、認定基準を満たせば助成金を出す仕組みをつくる。デジタル化の進展で、高性能な半導体の確保は国家的な課題となっている。産業基盤の強化に向けた政府の支援策が本格的に始動する。

 そんな中、厳しい冬に向かって、世界的な半導体不足と部品製造元の工場の生産停止で給湯器の品薄が深刻化。最悪の場合、“風呂難民”が出ることも予想されている。

「半導体不足で、給湯器の製造が間に合わない。給湯器が故障して、修理業者に依頼しても2~3か月先になります。真冬に風呂に入れないことになるかもしれません」(防災ジャーナリスト)

 給湯器の部品の製造元であるアジアの工場が新型コロナウイルス感染拡大に伴い、生産が滞った。しかも、半導体不足が起こっているのだ。

「交換部品が修理業者にいつ入荷するか分からない状態が続いている。真冬に給湯器が壊れたら、台所や洗面台、風呂からお湯が出なくなる。寒さの厳しい雪国では一人暮らしの高齢者の命に関わる問題に発展します」(同)

 そのため、給湯器メーカー各社は「新型コロナウイルスの感染拡大等の影響により、サプライヤーの生産に支障が出ているために商品のご注文につきましては通常より納品までの時間をいただく状況になっています」との趣旨のリリースを発表している。

 前出の防災ジャーナリストは「寒い地域では、万が一のことを考えて、給湯器が故障しないための予防措置が大事です。冬の間は湯船の中の循環金具がかぶる位置まで24時間、水を張っておく。凍結予防しておけば、追いだき用の配管の凍結を防いでくれる。水道の水抜きも忘れずに実行することです」と指摘する。

 風呂難民にならないためには自ら点検を心がけることが必要だ。