渋谷区「同性婚条例」にダメ出し 当事者から出てきた冷ややかな声

2015年03月28日 16時00分

 東京・渋谷区議会の総務区民委員会は26日、同性カップルを結婚に相当する関係と認め「パートナー」として証明する条例案を賛成多数で可決した。31日の本会議で可決、成立する見通し。こうした条例は全国初で、区は4月1日施行、早ければ夏ごろからの証明書発行を目指す。ただ、当のLGBT(同性・両性愛者と性同一性障害者)層からは、なんとダメ出しの声も上がっている。

「(法整備上)条例にはいくつかの問題があるのに、気軽に乗っていいのか?」と反対を表明したのは、レズビアン活動家・土屋ゆき氏。都内でLGBTが多数集まった先日の公開勉強会では、同条例を推進してきた渋谷区議が「(渋谷に)新しいカルチャーが生まれる」と発言していることに「(街づくりに)LGBTを利用したいだけ」と指摘した。

 当事者たちの声を拾うと「役所がゲイというのをどのように認知して証明書を発行するのかしら?」とは区役所元職員(45)。大手家電メーカー社員(35)も「ゲイにはいろんなタイプがあるから、認知は難しいよ」と言う。

 そもそも「LGBTの大半は、案外この話題に興味ないかも」とは、板橋区でガテン職人(37)と半同棲して5年の男性看護師(29)だ。近所からの差別や不自由などなく、普通に暮らしているという。

 もちろん、歓迎の声もある。渋谷区在住フードスタイリスト(45)は、彼氏(41)と分譲マンションで同居して20年。条例が施行されたら証明書をもらい“結婚”する。「この条例で可能になることって、病院での面会ができるとかその程度の範囲よね。でも、そんな第一歩が大切で大歓迎」。それも先を見越しているからだ。

「ウチは長年2人で高い区民税を払ってるから、扶養になる制度ができたら税金が安くなる。あと、家族しか受け取れない生命保険を2人で受け取り合えるようになればいい。その2つの将来的解決が希望」

 今後は導入に前向きな東京・世田谷区、神奈川・横浜市など他の自治体に波及する可能性が高いが、果たして…。