【理研】野依理事長 責任逃れ発言の波紋

2015年03月25日 07時00分

 無責任すぎる!! 理化学研究所の野依良治理事長(76)が23日に行った会見で、STAP細胞論文をめぐる一連の騒動について、「最大の責任は現場の研究者にあると思います」と自身の責任を棚上げにした。すでに任期途中での理事長退任が決まっている野依氏だが、「人事についてはお話しできない」の一点張り。“なんで俺がやめなきゃいけないんだ!?”と言わんばかりの会見に、理研の今後が不安視されている。

 この日、下村博文文科相(60)が、埼玉県和光市にある理研を視察。これを受けて、野依氏の会見が開かれた。すでに後任として松本紘・前京都大学総長(72)の名前が挙がっていることもあり、事実上の退任会見かと思いきや、そうではなかった。

 報道陣から退任について聞かれると、野依氏は「人事にかかわることは申し上げられない」を繰り返すのみ。理事長としての責任についてもはっきりしない。

 一連のSTAP論文騒動においては、理研の事後対応のまずさが騒動拡大の原因となっていた。野依氏は「一般社会の求めるスピード感と私たちがよしとする合理的なやり方に乖離があった」としながら「私はその場その場でもっとも適切な判断をしたと思う」と言ってのけた。

 一定の刺激により細胞が初期化されるSTAP現象は、ほかの万能細胞であるES細胞が何者かによって混入されたことによる可能性がきわめて高いと判明している。つまり、虚構と認定されているわけだ。しかし、理研は誰が混入させたかを特定しないまま、調査を終えてしまった。騒動において誰が一番の責任者になるのか。

「現場の研究者にあるでしょう。小保方(晴子・論文主著者)氏は責任重大。防ぐことができなかったチーム(共著者)にも問題がある。立案がハーバード大(バカンティ教授)で、手伝うはずだった若山(照彦)教授が虚構を拡大したところもある。それを笹井(芳樹・元理研CDB副センター長=故人)氏が、腕の立つライターですから、社会に出したと」(野依氏)

 虚構を拡大とはまるで理研から山梨大に移った若山教授(47)のせいみたいだ。「若山氏が手伝わなければ、理研ではこんなことにならなかった」「若山氏が実験したからみんな信用してしまった」とあたかも理研が巻き込まれたと言わんばかり。
 当然のように報道陣から突っ込まれて、最終的には「若山氏が悪いと言ったわけじゃない。拡大という言葉が適当でないなら削除して」と野依氏が折れた。

 これらのやりとりからみても、野依氏はSTAP論文騒動において理事長として自身の責任はないと考えている節が見受けられる。象徴的な言葉が「一般的に大学でも研究機関でも、自立的な研究をやるようなところで組織の長が(研究不正で)引責辞任した例は皆無だと思う」と言ったことだ。

 このタイミングで任期を3年残しての理事長退任は明らかに引責辞任なわけだが、ご本人としては認められないようだ。文科行政に詳しい永田町関係者は「明日(24日)の閣議で人事案が了承される見通しです。野依氏としては『特定国立研究開発法人』の指定に向け努力しただけに、STAP論文で退任になることは納得がいかないのでしょう。このまま理研を去ったら、根に持って理研の内情を暴露しかねません」と心配する。

 ノーベル化学賞受賞者である野依氏が不満分子と化し、理研や文科省などの内情を暴露するとしたら、国際的なとてつもない騒動になることになる。小保方氏よりも怖いかもしれない。