北陸新幹線は長野―金沢間の228キロが14日に延伸開業した。1973年に国が整備計画で決定して42年。東京―長野で97年に先行開業し、これまで長野新幹線と呼ばれてきたが、名称通り北陸地方に新幹線が乗り入れた。


 北陸新幹線によって富山県、石川県から一本で東京に行くことができるようになった。残る福井県も2023年につながる予定。


 この北陸3県は交通の便や歴史的に関西文化だとされる。しかし今後、富山県民の意識は関東圏に向くかもしれない。


 富山県民は「アクセス的に北陸本線の特急サンダーバードが富山から金沢を通って、京都・大阪に一本で行けたので、富山は関西圏という意識があります。だから、大学受験の大目標は京都大学か大阪大学という感じで、観光はユニバーサル・スタジオ・ジャパン、あべのハルカス、清水寺。今後は東京大学、東京ディズニーランド、東京スカイツリー、浅草寺に目が向くことになるのは間違いないでしょう」と語る。


 長年培ってきた北陸の人々の関西文化圏という意識が簡単に変わるとは思えないが、“視覚”のインパクトは大きい。「北陸新幹線が開業したことで、サンダーバードの富山―金沢間がなくなった。富山駅からサンダーバードの『大阪行き』の案内表示が消え、逆に北陸新幹線で『東京行き』と出るのは、ものすごいことです。これまでなかったんですから。視覚的に『東京』を見続ければ、東京に親しみがわくでしょう」(同)


 石川県、福井県は京文化が色濃いが、富山県は徐々に関西文化圏から関東文化圏に変わることがあるかもしれない。