京王線刃物放火〝ジョーカー〟男はコピーキャット 映画にもあった類似シーン

2021年11月01日 11時30分

事件があった京王線の国領駅前(東スポWeb)
事件があった京王線の国領駅前(東スポWeb)

“ジョーカー”はコピーキャット(模倣犯)だった。31日午後8時ごろ、東京都調布市を走行中の京王線京王八王子発新宿行き特急(10両編成)で、男が刃物で乗客の70代男性を刺し、さらに油のような液体をまいて火を付けた。男性は意識不明の重体。転倒したり煙を吸ったりして10~60代の男女16人がけがをした。16人は軽傷とみられる。警視庁は殺人未遂容疑で住所、職業不詳の自称服部恭太容疑者(24)を現行犯逮捕した。8月に起きた小田急線刺傷事件を参考にしたと話しており、今後、さらなる模倣犯の出現が心配される。

 服部容疑者は「2人以上殺せば死刑になると思った。(8月に起きた)小田急線の事件を参考にした。ライターオイルをまいた」とも話し、警視庁が詳しく調べている。

 逮捕容疑は31日午後8時ごろ、国領駅付近を走行中の車内で70代男性の右胸部を刃渡り約30センチの刃物で刺した疑い。

 警視庁などによると、服部容疑者は京王井の頭線の渋谷駅から乗車したと説明。特急には先頭から8両目に乗車し、座っていた70代男性を刺し、6両目へ行って液体をまいて放火したといい、シートなどが燃えた。さらに9両目まで移動し、警察官に確保された。

 特急は乗客が乗務員に異常を知らせ、国領駅で停止した。火は約30分後にほぼ消し止められた。

 目撃者の男性によると、電車は駅到着後、すぐにドアが開かなかったため、乗客らは窓から車外に脱出した。男性は「『ボン』という音が聞こえ、後方から煙と炎が見えた。車内はパニックになった。男は車両のいすに座ったまま、抵抗せずに警察官に身柄を確保された」と話した。

 服部容疑者は2019年に日米同時公開された映画「ジョーカー」の仮装をしていた。ツイッター上には事件直後、ジョーカーの衣装でいすに座り、たばこを吸う動画が拡散された。事件直後、電車が停車した駅にいた人が撮影したとみられる。

 同映画には、実際に電車内で乗客を襲う暴力的なシーンがある。容疑者は映画を模倣していた可能性もある。

 また、今回「死刑になりたかった」と供述し、無差別に殺傷しようとしていた。日米で連続殺人犯、大量殺人犯など数多くの凶悪犯と直接やりとりしてきた国際社会病理学者で、桐蔭横浜大学の阿部憲仁教授はこう分析する。

「単発で多くの人を傷つける無差別的犯行を行う犯人は、社会的に孤独で何かで“はじけたい”けど、怖くてはじけられないという思いを長く持っているんです。そして、他者の事件に“勇気”を得て、実行する傾向がある。確かに小田急刺傷事件にアイデアを得た可能性は非常に高い」

 今年8月6日、東京・世田谷区の小田急線車内で男に男女10人が切り付けられた事件は、サラリーマンにとって睡眠の場でありつつも、不特定多数が出入りでき、何かが起きた時には逃げ場のない場所だと判明して、社会に大きな不安を与えた。「すし詰め状態で有名な電車はいつでも複数のターゲットが存在し、誰もがノーチェックで乗車できる」と阿部氏。

「火災を起こす引火性物質を持っていたということは用意周到で、非常に計画性が高い。多くの人をけがさせたということは、ずっと頭の中で計画を練って、何度も犯行をシミュレーションしていたのでしょう。今後、犯意が連鎖し、電車内で犯行を起こす模倣犯が出てこなければいいんですが…」(同)

 この日はハロウィーンでもあり、コスプレをしても違和感がない状態でもあった。渋谷でハロウィーンを体験した後、電車に乗ったのだろうか。
 さらなる模倣犯が出ないことを祈るばかりだ。

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