赤潮に温暖化…北海道「海の幸」が危ない! 日本のダシ文化にも影響甚大

2021年10月13日 13時33分

市場から悲鳴が上がっている(東スポWeb・写真はイメージ)
市場から悲鳴が上がっている(東スポWeb・写真はイメージ)

 北海道の太平洋沿岸で赤潮が発生してウニやサケなどが大量死している問題で、道は12日、被害総額は約46億円と発表した。9月下旬から大規模な赤潮が発生し、さらに被害が拡大する可能性もあり、道は引き続き被害や発生原因を調べる。今秋の道産の海の幸は温暖化と赤潮のダブルパンチとなっている。

 北海道の鈴木直道知事は12日、太平洋沿岸で赤潮が発生してウニやサケなどが大量に死ぬ被害が出ている問題に関し、原因究明と漁業者の経営回復などへの支援を金子原二郎農水相に要請した。

 道によると、根室地方から日高地方の太平洋海域で、8日時点でサケ約1万7800匹、ウニ約1500トンの被害が出ているほか、ブリやサクラマスなどにも影響が出ている。

 赤潮の原因は植物プランクトン「カレニア・セリフォルミス」。植物プランクトンは高水温の状況下で増えやすいとされるが、カレニア・セリフォルミスは低水温でも増殖するのが特徴という。赤潮は主に植物プランクトンが大量発生し、海水が赤褐色や茶褐色に色づく現象。プランクトンが出す物質が、魚のえらの細胞を壊して呼吸困難にさせ、大量死を引き起こすとされる。

 そもそも温暖化でサケは不漁続きだ。秋サケは冷たい海水を好むが、“温暖化”が進んでいる。道内の秋サケ漁は、昨年の水揚げ量が約1270万匹まで悪化。今年は赤潮被害もあって、さらに低くなりそうだ。

 しかし、輸入ものが豊富なため、市販の値段はさほど変わらない。

「問題はイクラですよ」と言うのは東京・豊洲市場水産仲卸業者だ。

「この時期に日本で取れる秋サケはイクラの質がいいんです。しかし、不漁でイクラが去年の倍の値段になっている。上がることはあっても下がることはありません」(同)

 また、ウニも不漁だ。札幌の水産仲卸業者は「道東部の厚岸町ではウニの9割が死んでいるのが発見されている。ウニが育つのは時間がかかる。4年間はウニ漁は無理。漁民はため息も出ないほど落ち込んでます」と語る。

 日本で食用に使用される量の9割を占める北海道産の昆布も、赤潮のせいで変色や根腐れしている。「鍋物に使うダシの昆布の値段も上がる。日本のダシ文化にもろに影響します」(同)

 漁師は「赤潮被害ではなく、赤潮災害。激甚災害に匹敵する」と悲鳴を上げている。

【関連記事】

ピックアップ