こりゃヒドい!上海ガニ「薬漬け偽装」

2015年02月25日 11時00分

 特定外来生物の上海ガニを許可なく販売目的で飼育するなどしたとして、警視庁生活環境課は23日までに特定外来生物被害防止法違反の疑いで、東京・上野のアメ横センタービルに入る中国食材店「海羽」の経営者(39)と、水産物輸入業者「申江貿易」の社員(35)ら中国籍の男2人を書類送検した。高級食材として知られる上海ガニのことを調べてみると、中国ではヒドすぎる偽装が行われていることが分かった。

 経営者は今年1月、無許可で生きた上海ガニ109匹を7万2000円で仕入れ、販売目的で飼っていた疑い。上海ガニといえば高級食材。江蘇省・陽澄湖(ようちょうこ)で取れる最高峰のものでは都内の高級中華料理店などで1匹6000~7000円で提供されるが、雑居ビルで1匹500~600円で薄利多売されていた。

 中国事情通によると「中国で“大閘蟹(ダージャーシエ)”と呼ばれる上海ガニは、ほとんどが養殖です。出荷量を増やすためにホルモン剤を投与して成長を早めて1年ほどで育てます。その間も10種類近い抗生物質を投与し続け、薬漬けにするのです。高級食材といえど中国の食品汚染とも無関係ではない」と指摘する。

 また、「中国には死肉専門のブローカーがいて犬やニワトリ、ネズミなどの死肉を与えているのです。中国では賞味期限切れの肉や病死した動物の肉が加工食品として流通しているが、当然、上海ガニのエサなどもそうした肉が使われているケースはある」と事情通。

 それどころか、上海ガニでもない別種を“偽装”するケースもあるという。「汚染された川で取れた別種のカニが、洗浄薬で洗い落とされて大閘蟹として売られているが、薬品が強力でカニが弱りきっているものも市場に出回っている」とも。

 中国のニュースサイト「網易新聞」によると昨年、中国では業者がカニの鮮度を保つために、生きているカニの腹部や脚に注射針で薬や水を注入した“針穴カニ”が大量に見つかったという。薬物を投与されたカニは一時的に活発になるため鮮度を“偽装”していたということだ。

 これでは人体にも悪影響を及ぼすことは必至だろう。中国では2歳の女児が上海ガニを食べたところ、第二次性徴が現れてしまったことが報じられたことがあるほどで、それだけ成長ホルモンが与えられたカニもいたということだ。

 最高級の陽澄湖産は年1万3000匹程度しか取れないが、世界中に陽澄湖産が出回っている。

「陽澄湖産は多くが香港に引き取られ、上海市にさえ出回らない。香港では年間1300万匹の上海ガニが消費されているが、陽澄湖産とうたっているカニばかりです」と事情通。つまり、多くが偽装品であることは疑いない。

 今回、2005年に生態系に害を及ぼすおそれのある特定外来生物に指定(06年施行)されてから、実際に上海ガニが同法違反で摘発されたのは初めて。現在は環境省から輸入や飼育、調理の許可が必要だという。今回のカニが“偽装カニ”とは限らないが食の安全を見直すきっかけにはなりそうだ。