【使途不明金問題で内紛】後援者が怒り「田母神氏はウソつき」

2015年02月21日 07時00分

田母神氏にも“政治とカネ”の問題が浮上(都知事選当時)

 保守陣営で内紛が起きている。元航空幕僚長の田母神俊雄氏(66)が19日に都内で会見し、事務所で使途不明金3000万円があったことを明かした。支援者から募った寄付金を会計責任者が私的に流用していたため、刑事告訴を検討しているという。この会見に激怒しているのが、田母神氏を強力にバックアップしてきた衛星放送「チャンネル桜」の水島総社長(65)だ。「(田母神氏は)大うそをついています。使途不明金はもっとある」と本紙に激白。「土下座しないと許さない」とまでエキサイトしており、かつての蜜月関係は遠い昔の話となっている。

 田母神氏によると、昨年の都知事選出馬に際し「東京を守り育てる都民の会」(「田母神としおの会」に改称)で集めた寄付金約1億4000万円のうち、少なくとも3000万円を会計責任者の50代男性が私的流用していることが分かった。この男性は「生活費や赤坂のクラブの飲み代に使った」と認めているという。田母神氏は「私の監督不行き届きでこのような事態を招き、寄付をしていただいた方には申し訳ない」と謝罪。会計責任者は返済の意思があるというが、返済できない場合は刑事告訴も考えているとも話した。

 事の発端は水島氏が「チャンネル桜」の放送で「田母神事務所に1億円の使途不明金がある」とブチ上げたことだった。水島氏は都知事選のとき、田母神氏の選対本部長を務めた。これを受けて、田母神氏が会見に踏み切った。

 田母神氏は「相談をしていただけに信義違反と感じる」と水島氏が勝手に暴露したことに不快感を示した。さらに「都知事選後、水島さんから『寄付金の残金を“頑張れ!日本”の口座に移してくれ』と言われた。『どうして?』と聞くと、答えがなく、そのままになっていた」と応酬。「頑張れ!日本」とは田母神氏と水島氏でやっていた政治運動団体だ。

 田母神氏は「彼は私が言う通りにならないということで、いい感情を私に持っていない。その後、彼は私をこき下ろしていて、ひどいなと思っていた」と水島氏を批判した。

 口座移しの要請が事実ならとんでもない話だ。水島氏を直撃すると「大ウソついてますよ!」と激怒し、こう続けた。

「口座に入れろなんて話はしていない。そんな非常識なことを言うバカがいるはずない。彼(田母神氏)の仲間がウチ(チャンネル桜)をおとしめようと言わせているのではないか。これでは大うそつき野郎と言わざるを得ない。もう彼はアウトです」

 田母神氏の会見を見た水島氏はすぐに田母神事務所の関係者に電話。「私の前で土下座して大うそをつきましたと言わない限り許さない」と田母神氏宛てに伝えたという。

「都知事選には3700万円かかりました。これは報告を受けています。しかし、実際はもっと安く済んだと言われています。つまり、このときから始まっていたんですよ。使途不明金は3000万円だけではないでしょう。田母神氏はもっと明らかにするべきです」(水島氏)

 都知事選後の衆院選でも水島氏は田母神氏を応援するというスタンスは変えていなかった。

「これまでも彼のイメージを保つために、泥をかぶってきたつもりです。今は脱力感が大きい。武士の情けで言わなかったこともある。彼はお金にだらしがないところがあった。もう助けようとは思いません」と水島氏は絶縁状を叩きつけた。

 田母神氏といえば、衆院選の最中に離婚裁判が話題になった。妻に対して離婚を求めて訴訟していたのだ。昨年12月の時点で離婚は認められなかった。永田町関係者は「使途不明金が離婚の慰謝料に使われたのではと言われるのは避けられないでしょう」と話す。

 水島氏も「疑われるのは当然です。本当に会計責任者だけの問題なのでしょうか。疑われているのは田母神氏も同じなのだから、もっとしっかり調査をするべきです」。

 国内でも有数の保守陣営に起きた内紛は激化モード。田母神氏は巻き返せるのか。