中国人「大挙訪日」が地方の受験生を直撃!

2015年02月19日 18時00分

 中国で18日、春節(旧正月)を19日に控えて1週間の大型連休“春節休み”が始まった。中国の都市部への出稼ぎ労働者はふるさとで過ごすため帰郷するが、富裕層は観光目的で日本へ来る者も多い。そのため、東京のビジネスホテルで、素泊まりで1泊5万3900円という途方もない値段も出現した。こんな状況で大迷惑を被っているのが、この時期に地方から上京する受験生の親たちだ。

 ビジネスホテルが1泊5万3900円! リゾートホテルのオーシャンビューや外資系高級ホテルの話ではない。ド派手な帽子の女性社長が率いるアパホテル「新橋御成門」で2月21日に設定された「Web割 ダブル 禁煙室 ベストレート 素泊りプラン」の価格だ。公式ウェブサイトに記されていたが、19日朝時点では満室表示となっており、予約で埋まったとみられる。部屋の広さは11平方メートル。週末は特別価格となるホテルは珍しくないが、同プランの22日の日曜日の価格は9500円で、5倍以上の開きがある。

 料金高騰の理由について、アパホテルを展開するアパグループ東京本社は「2月21日は中国の春節休み(18~24日)の期間中で、国内のレジャー需要と重なるため、宿泊需要は高いと予測しており、需要に応じた室料設定になった」としている。

 21日の宿泊料金が高騰しているのは、同ホテルだけではない。

 ホテル予約サイト「楽天トラベル」で、21日の東京都内中心地で2人宿泊可能な部屋を探してみたところ、すでに満室が目立っており、高額の部屋も売れた様子。春節休み期間中のほかの日を同様に検索してみても、やはり相場は高めだが、次週の同じ曜日と比べ3~5割アップといったところだ。

 21日の宿泊料金相場が異常高騰している要因を、訪日中国人のインバウンド業務を行う都内の旅行会社勤務の男性は、こう指摘する。

「過去最多の中国人観光客が来日すると言われている今年の春節休みは、カレンダー通りの日程で日本に滞在しようと思うと、航空券が取れない。そこで多くの中国人観光客は、春節休みの前後に有給休暇を合わせ、ピークをずらして日本にやって来る。そうすると、春節ど真ん中の21日あたりが、日本の玄関口である東京に、来たばかりの人とこれから帰る人が集中し、中国人観光客数がピークになる」

 東京に限らず、地方都市の百貨店や家電量販店では、訪日客を当てにした日本版「春節商戦」が繰り広げられている。査証(ビザ)発給の要件緩和や円安が追い風となり、中国人観光客が大量買いしてくれるからだ。福袋や高額品を大量購入するだけでなく、地方都市への観光も増えると見込まれ、本格回復が遠い日本経済の押し上げ役として期待がかかる。

 しかし、この時期に東京のホテルに宿泊する日本人にとっては、とんだトバッチリだろう。特に受験生だ。九州地方在住で、大学受験生の娘を持つ男性も嘆く。

「2月20日から5日間、私立大学の入試のために娘が上京するのですが、普通のビジネスホテル4泊分が合わせて約10万円。受験料は覚悟していましたが、ホテル代がこれほど高いとは…」

 庶民の犠牲なしには「おもてなし」は成り立たない!?