TPPで著作権「非親告罪化」議題に…クールジャパン守りきれるか

2015年02月14日 11時00分

ITジャーナリストの井上トシユキ氏

 TPP(環太平洋連携協定)の交渉で、著作権の侵害があった場合に著作権者の告訴がなくても起訴できる「非親告罪化」が話し合われている。日本政府はアニメや漫画の2次創作に影響が出ると懸念していた。

 2次創作とは、すでにあるアニメや漫画のキャラクターや世界観を利用して、別の作品を作ること。それらをまとめて冊子にしたものを同人誌として、コミックマーケット(コミケ)やネットでマニアたちが売買している。著作権者から無許可のものも多く、問題視されることもあった。

 ITジャーナリストの井上トシユキ氏は「最近はオリジナルの著作権を持つ人たちも、2次創作を認める方向になっています。2次創作によりオリジナルの認知度が広がれば、新しい読者を獲得できるというわけです」と解説する。

 日本政府、特に「クールジャパン」を推進する経産省は2次創作に理解のある立場だった。ところが非親告罪となれば、取り締まりの対象になりかねない。著作権者でなくても告発できるようになるのだ。

「2次創作の中からオリジナルが生まれることもあり、政府は好意的でした。非親告罪で取り締まりとなれば、どれだけの影響が出るのか分からない。さかのぼれば、日本のテレビ番組も漫画も米国にお手本があります。米国で訴訟となれば、ものすごい額の損害賠償になり、創作現場のモチベーションは下がります」(井上氏)

 日本政府が2次創作にこだわるのには別の理由もある。

「経産省が言っていることですが『文化的に好かれている国は外国から攻撃を受けにくい』のです。日本のアニメや漫画が好きだから日本を攻撃しないという、安全保障になり得るのです」(同)

 非親告罪化する方向は決まったが、日本政府が例外規定を勝ち取れるのか注目だ。