テロ警戒…東京マラソンは大丈夫か

2015年02月14日 09時00分

東京マラソンのスタート風景

 東京の看板イベントは大丈夫か! 多くの有名人も走る22日の東京マラソンに、かつてない不安がささやかれている。原因は過激派組織「イスラム国」による日本を標的とするテロ予告だ。専門家からは「すでにテロリストが日本に潜伏している可能性がある」との声も出ているだけに、穏やかではない。「ランニングポリス」導入など警備は強化されるが、2年前の米ボストン・マラソンの爆破テロの悲劇が、同大会と同じく世界メジャーマラソンに名を連ねる東京で起きないとは言い切れないのだ。

 今年の東京マラソンには、テレビ局の女子アナやタレント、著名人なども含めて約3万6000人が参加予定。放送するフジテレビは、女子アナランナーこそいないが、山﨑夕貴アナ(27)、宮澤智アナ(24)が「市民マラソンの部」の進行役を務める。

 猫ひろし(37)、元スピードスケートの岡崎朋美さん(43)、元プロボクサーでタレントの内藤大助(40)、お笑い芸人の長州小力(43)、水沢アリー(24)らが、現時点で著名人ランナーとして名前が挙がっている。

 沿道は例年100万人以上が埋め尽くす。テロが起きれば被害は甚大。現在までに、イスラム国を含むテロ組織などから大会事務局に脅迫は届いてはいないという。

「把握しているところでは、そのような報告は警視庁から受けておりませんし、こちらでも受けていません」(事務局)

 だが、到底安心はできない。テロはむしろ予告なしで起こるものだ。

 青森中央学院大学の大泉光一教授(国際テロ研究)は「日本がイスラム国の標的になったことはハッキリしている。東京マラソンでテロを起こせば、ボストンの件もあるので、テロリスト側からみれば、注目を集めるのに効果的だ」と警鐘を鳴らす。

 2013年に起きた米ボストン・マラソンでの爆破テロを教訓に、14年の東京マラソンでは約4400人の警察官を動員。今年はそれ以上の警戒態勢を敷く。新たに参加者と一緒にコースを走る「ランニングポリス」64人の導入も決まった。箱根、出雲などの駅伝経験者も含まれ、身につけた小型カメラで周辺の映像を常時、警視庁本部に伝送する。

 事務局によると、スタートエリアに入場する際の金属探知機のレーンを増加。ランナーの水分の持ち込みにも制限を設ける。ペットボトルや水筒は持ち込めない。「液体が爆発物である可能性があり、警視庁からの要請もあった」(事務局)。水分補給は給水所で、栄養補給は持ち込み可能な市販のゼリー状補給食で行うようにする。

 かなり厳重な警戒といえるが、42・195キロをカバーするのは不可能に近い。

「銃器入手は難しいだけに、テロリストは身近なものを使って爆薬を作る方法をとるだろう。洗剤や農薬があれば、誰でも簡単に爆薬を作れる。起爆装置もケータイがあれば事足りる。黒色火薬だって普通の花火をバラして集めれば、鉄パイプ爆弾も作れる。国際的にみれば、花火が大々的に売られている国なんて珍しい」(大泉教授)

 どうやら日本はテロリストが仕事をしやすい国のようだ。

「すでにテロリストは日本にいると思わないといけない。日本人、外国人に関係なく、イスラム国の過激な考えに共鳴した者なら、誰でもテロを起こす可能性はある。今の日本人は誰でも不満を抱いている。また、イデオロギーに関係なく、カネで動く不法滞在貧乏外国人も多い」(同)

 さらには「言いにくいことだが…イスラム教信者にも当然、良い人と悪い人がいる。夫に誘われる形で、イスラム教に改宗する日本人妻が増えている。そういう女性が怖い」とあえて指摘する。

 イスラム国が釈放を要求し、4日にヨルダンで死刑執行されたサジダ・リシャウィ死刑囚が夫婦で自爆テロを実行したことをみても明白だ。

「日本の警察は何かあると『こんなことが起こるとは想定しなかった』と言うが、それでもどこに弱点があるか突き詰めないといけない」(同)

 ボストンとともに、世界6大会による「ワールド・マラソン・メジャーズ」を構成する東京。大会は世界中から注目される。警察を中心に日本のテロ対策の威信がかかるが、現状では100%万全とはとても言えない。世界に冠たる大会は大丈夫か。