国内で21日、新たに1767人の新型コロナウイルス新規感染者が確認された。東京都253人、大阪府245人、神奈川県188人、愛知県151人など。感染者が減少している一方、デルタ変異株による子供の感染者は増えており、子供からの家庭内感染が深刻化しそうだ。

 千葉県市川市の藤巻耳鼻咽喉科医院の藤巻豊院長は「デルタ株はこれまでのコロナとは違って感染力が強く、夏休み中に子供の感染者数が増えた。9月から学校が再開してから、さらに急増してます」と語る。

 文部科学省は先日、8月の1か月間で新型コロナウイルス感染が確認された小中高校などの児童生徒や幼稚園児は前月の約3倍に当たる1万7734人に上ったと発表。やはりデルタ株の急拡大が影響したとみられる。

 藤巻院長は「当院は小児科医も在籍。9月に入って保育園児が発熱を訴えて受診するケースが増えています。小児がデルタ株にかかると、鼻詰まりで呼吸困難に陥ったり、高熱から飲食ができなくなったりします。通常の風邪と比べて、コロナでの発熱は自力で飲食ができなくなる傾向があって重症化します。そして、園児からママやパパ、兄弟に感染し、家庭内クラスターが起きるのが心配です」と指摘する。

 子供の感染が問題になる一方、子供向けの治療薬は乏しい。「12歳未満はワクチン接種の対象外。大人の3回目の接種より、12歳以下のワクチンを急がなければ家庭内クラスターは防げません」と都内の小児科医。

 コロナ感染減少傾向で、行楽地に子供連れの家族が増えているが、デルタ株は強烈だ。緊急事態宣言の期限は30日だが、それ以降も不要不急の外出自粛は継続すべきかもしれない。