標本ドロで判明したクワガタお宝事情

2015年02月11日 11時00分

 学校専門ドロだった。警視庁府中署は9日までに、珍しいクワガタの標本を盗んだとして、窃盗の容疑で無職の男(25)を逮捕した。盗まれたのはアマミマルバネクワガタなど離島に生息する種類。盗んだ8点のうち4点がネットオークションで約17万円で落札されたという。高価なクワガタといえばオオクワガタが有名だが、最近は事情が変わってきているようだ。

 逮捕された男は1月13日午前2時ごろ、府中市の東京農工大に侵入。サークル「昆虫研究会」の部室に入り、標本8点を盗んだ疑い。

 盗まれたのはサークルに所属する学生個人の所有物で、アマミノコギリクワガタのオス・メス1匹ずつ計2匹、オキナワマルバネクワガタ1匹(性別不明)、アマミマルバネクワガタのオス3匹とメス2匹の計5匹だった。

「セキュリティーの問題もあって侵入手口は言えませんが、こじ開けたとかではない。昆虫研究会を狙ったのではなく、たまたまだった。標本の中から大きくて珍しそうなものを選んだようだ」(府中署幹部)

 犯行後に男は標本のラベルからクワガタの種類を調べ、レア種だから高値で売れると判断、ネットオークションに出品した。盗まれた学生が気づいて、知人が約17万円で落札。男の犯行と発覚した。男は「悪い癖が出てしまった」と容疑を認めている。

 府中署幹部は「過去にも窃盗をしている。そのときも学校に忍び込んで、楽器を盗んでいた。虫は初めてだし、虫好きかは分からない。学校には価値のあるものがあると考えたようだ」と語る。

 盗んだクワガタは、どれも離島産のもの。ネットオークションを調べると、オキナワマルバネは大型のオス・メスのペアの標本で3万円弱、アマミマルバネは幼虫のペアで5万円強の値がついている。アマミノコギリは、これらと比べると若干安い。

 特にアマミマルバネは絶滅の恐れがあり、奄美大島などでは採集禁止になっている。

 クワガタマニアの男性は「離島固有のクワガタの多くが採集禁止になっています。市場に流通しているのは、禁止になる前に採集した個体でしょう。ただでさえ離島のクワガタは珍しいので、採集禁止になり希少価値が高くなっています」と指摘する。

 かつてオオクワガタが“黒いダイヤ”と呼ばれ、高値で取引されていたのは有名な話。

「オオクワガタは今でもワイルド(天然物)で大型なら高いです。でも、飼育技術が発達して、個人でも大型個体をふ化させやすくなったので、手が出しやすくなっています」(同)

 盗んではいけない。