金正恩氏 側近も外交デビューを進言しない理由

2015年02月10日 11時00分

 またもやミサイルを発射し、国際社会を騒がせている北朝鮮の金正恩第1書記が“外交デビュー”に難色を示している。

 韓国軍合同参謀本部は8日、北朝鮮南東部の元山付近から同日午後4時20分ごろ(日本時間同)から同5時10分ごろにかけ、短距離ミサイルとみられる物体計5発が北東方向の日本海に向け発射されたと明らかにした。物体は約200キロ飛び、日本海に落下したもよう。米韓両軍は警戒を強めている。米韓は3月初旬から定例の合同軍事演習を実施予定で、相次ぐ発射は演習中止を要求する威嚇目的の可能性もある。8日は朝鮮人民軍の正規軍創設から67年に当たる。

 その北朝鮮のトップ、正恩氏が、ロシアの式典に出るかどうか注目されている。ロシアのプーチン大統領(62)は、旧ソ連がナチス・ドイツに勝利した70周年を記念して、5月にモスクワで開催する式典に安倍晋三首相(60)や米国のオバマ大統領(53)らを招待。北朝鮮にも接触している。先月下旬、ロシアのラブロフ外相は、正恩氏の出欠について「最初のシグナルは前向きな反応を示してくれた」と話した。

 日本の公安関係者は「ロシアは、正恩氏が式典に出席すれば大国としてメンツが保てます。北朝鮮も、ロシアとの良好な関係を国際的にアピールできるチャンスです」と指摘する。

 正恩氏は北朝鮮の最高権力者に就任してからの3年間、国内で引きこもりを続けてきた。

 平壌情勢に詳しい関係者は「正恩氏は普段、たばこをくわえてポケットに手を突っ込んで地方を視察する映像が見られます。北朝鮮指導部が、正恩氏に『式典では失礼がないように、お願いします』と進言するとは思えません」と明かす。

 側近にしてみれば、進言して罰を与えられるぐらいなら、「(対外的な元首の)金永南最高人民会議常任委員会委員長を出席させればいいんです」と勧めるだろう。「実際、正恩氏は『ロシアが一方的に自分の名前を出して訪問を進めている』と難色を示しているそうです」(同)。もし、出席した際は世界各国の首脳たちが集まる国際行事でどんな振る舞いを見せるのか注目される。