“障害者のセックス映画”公開の理由

2015年02月09日 08時00分

 車椅子に乗る2人の身体障害者の性に関する話などを追ったドキュメンタリー風映画「マイノリティとセックスに関する、極私的恋愛映画」が14日から東京・渋谷の映画館で公開される。

 監督はソニーミュージック所属アーティストのPVやドキュメンタリー映画などを手がけてきた映像ディレクターの佐々木誠氏。テーマはマイノリティーとされる人々とマジョリティーとの境界は誰が決めるのか、だ。

 劇中に登場する車椅子の重度身体障害者、門間健一氏と熊篠慶彦氏は佐々木監督の古くからの友人で、別の友人に2人のことを話したのが製作のきっかけになった。

「2人は僕より欲望に対して正直だった。熊篠さんは障害者の性的な部分を支援する特定非営利活動法人の理事長です。僕は2人と普通に性関連の話をしていたんですが、10年ほど前、地元の友人に2人のことを話したら『え! 障害者がセックスするの?』と驚かれた。僕はその反応に驚き、ショックを受けた」

 性欲があることは人として当たり前だが、世の中には障害者に一方的に“天使性”を求め、性的な部分を見ようとしない人もいるという。

「障害者を特別な目で見ることに疑問を持ってほしい。僕は2人とあるイベントで会い意気投合したんですが、そこにいた他の障害者とは仲良くなっていない。仲良くするかどうかって、趣味が同じか、気が合う合わないかで、障害者か健常者かは関係ない。障害者だからと心の中で引いている境界の根拠は何? 誰が決めたの?と考えてみてほしい」

 佐々木監督はあえてフィクションと実話を交ぜ合わせた。「ベースはドキュメンタリーで、実在の人物が自分の言葉で語っていますが、ところどころフィクションが入ります。その境界は明示していません」。上映後にはトークショーで、ドキュメントと見せかけたフィクション部分などを一部明かす。「作品全体で“疑う”ことを提示する仕組みです」という。