“魔のツール”持ち歩いていた盗撮社長

2012年09月04日 18時00分

 先月下旬、大企業の元社長(63)が、女性のスカート内を盗撮した都迷惑防止条例違反(盗撮)容疑で事情聴取を受けた。近く書類送検される。元社長は最高顧問を辞任。社外取締役を務めていた日本有数の企業5社も元社長の辞任を発表、経済同友会には元社長から退会申し出があるなど、衝撃は日本の財界に波及した。撮影機が常習犯が使うアイテムだったことでさらに衝撃が広がっている。

 四谷署によれば、元社長は8月22日午前8時ごろ、JR四ツ谷駅の中央線ホームから改札口へ向かう上りエスカレーターで、前に立っていたミニスカート姿の女性を携帯型音楽プレーヤーで動画撮影し、下着を盗撮した疑いが持たれている。犯行日は通勤途中や業務日ではなく、カジュアルな格好だったという。

 女性は被害に気付かずに立ち去ったとみられるが、元社長の不審な動きを目撃していた男性に呼び止められた。元社長は犯行を否定し、男性との間でトラブルになりかけたが、警察の調べで、盗撮動画が確認されると「映したのは間違いない。盗撮に興味があった」と素直に容疑を認めた。駅の防犯ビデオでも犯行の一部始終が収められていたという。被害者は不明だったが「迷惑防止条例は盗撮の証拠と目撃していた人の証言があれば成り立つ」と捜査関係者。

 元社長が犯行に使用した携帯型音楽プレーヤーは、盗撮マニアの間では、有名なアイテムだった。

「3年前に発売された機種で、小型サイズながらも動画撮影が可能で、シャッター音が鳴らないことや撮影時に光らないために盗撮しやすい。既に生産中止ですが、中古品は値崩れしていない」(事情通)。同製品を使った盗撮は全国で多発。靴のつま先やバッグの中に忍ばせ“魔のツール”と問題になっていた。

 犯行現場となった四ツ谷駅は、平日のラッシュ時間帯でOLや学生でごった返し、都内では有名な盗撮スポット。常習性も疑われるが、捜査関係者は「同様の犯歴はなく、改悛の情もあるので、逮捕せずに任意捜査に切り替えた。他の写真や動画があったかは、まだこれから」と話している。